勝つためには何をしても良いのか


 好カードの習志野と星陵の試合は、何だかとても後味の悪いものになった。

 習志野の2塁走者の可笑しな動きが、サインを盗んで味方に知らせていたのではないかと言う疑惑だ。

 これは、先日の明豊と横浜の試合でも疑われ、横浜の監督は関係者に謝罪したらしい。

 今や高校野球は、スポーツのさわやかさなど無関係になり、勝てばどんなことをしても良いと言う流れができているように思える。

 私はそんなことが嫌いで、少しずつ高校野球への興味を失いかけていた。
今年は、我が大分県では大分高校と明豊高校の2校が選抜されて、しかも初めて2校とも1回戦を勝利した。

 これで高校野球から気持ちが離れようとしていた私はかなり引き戻されていたのだが、このサインの疑惑問題の浮上でまた気持ちが揺れている。

 さらに明豊に負けた横浜の選手は、試合終了のとき握手を求めようとした明豊の選手を無視して球場を後にした。高野連は特に握手を拒む行為については何も言っていないのだが、テレビで見えた球児たちの振る舞いは気持ちの良いものではなかった。

 今年の選抜を見ていると、試合内容よりこのような高校生らしさに欠け、アマチュア野球の良さが無くなった悪い面ばかりが目立つ光景に失望感が広がる。

 これは選手たちと言うより、大人の姿勢が反映したものであろう。
嫌なシーンはこれ以上見せないでくれと言いたくなる。