日本人の危機感の欠如、ここにも


 中国の経済成長の伸びが鈍化して、世界経済は新たな局面を迎えそうである。
米中の貿易戦争は、表向きは米国の対中国貿易赤字の拡大が深刻と捉えられているようだが、ファーウエイの製品締め出し、不買の決定などから見れば、アメリカは知的財産の保護への危機感が大きいことが良く分かる。

 日本はどうであろうか。
日本人の性善説がそうするのか。この分野での日本の対応は、官民ともに危機感の希薄さからくる薄氷の上を歩くような危うい態度がつきまとっているようで、はなはだ心もとない。

 先日も大阪の男性が、日本人が長年にわたり”和牛”の肉質改善からブランド化した精子や受精卵などを、密輸出した問題が発覚した。幸い水際で防ぐことができ、ブランドは守られたと言うが、このような事案が起こることを想定した法案造りがぜひとも必要なのではないかと思う。

 農業製品は日本のお家芸みたいなもので、イチゴの品種改良はその代表だと言える。しかし、韓国ではその改良されたイチゴの遺伝子をどうやって得たのか。いつの間にか日本のブランドイチゴが、韓国の新しいブランドとして市場に並び、輸出まで行われているらしい。

 こんなバカなことが許されて良いのか。
以前にも、日本で造られたシイタケの菌(種ごまという)が中国に渡り、中国で大量生産されるようになった。
 中国から安価なシイタケが輸入され、日本のシイタケ農家は大打撃を受けた。

 中国産シイタケは、日本のと比べ風味がまるで異なる(弱い)ので、シイタケの愛好家には不評で私たちは購入したことは無い。

 だが、スパイ防止法もつくれない我が日本だ。
こうした知的財産に絡む事案についての危機感の欠如は、目を覆いたくなる惨条だ。

 政府、政治家、学者、それに携わる最前線の農家の人々などが、情報を共有し合い日本ブランドを守る手立てを実行してほしい。

 4月からは、いよいよ外国人の労働者が大量に日本で働くようになる。
その中に紛れ込み、日本の知的財産を盗み取るなど容易くなる。

 今まで以上の危機感を募らせて、ブランドを守っていただくことを希望する。