普天間の危険性除去を叫ばない辺野古反対派たち


 夕方のニュースでは、沖縄県辺野古埋め立てに関して、土砂の投入が始まったと報じられている。

 遅れに遅れていた普天間飛行場辺野古移転が、ようやく新しい局面に差し掛かったと思った。

 TBSのNスタでは、沖縄の人たちの意見をと、インタビューして県民の多くがこの埋め立て工事について反対していると言った印象を伝えようと懸命だ。

 その中で県民の一人が「どうして沖縄ばかりなのでしょうね」と、基地負担が沖縄にだけ偏ることに異議を唱えたい口調で答えていた。

 東アジアの情勢を考えるとき、アメリカ軍も日本の自衛隊も沖縄に基地を設置することは、わが国の防衛にとって欠かせない生命線だと言える。
 沖縄の他の土地を探すとして、沖縄以外にここなら絶対に基地としての機能を発揮できる土地を上げて欲しいと問えば、適切な答えが返ってくるのであろうか。

 確かに基地が沖縄に集中していることは否定はしない。
だが、国土防衛という観点から考えると、沖縄の地勢的な要素を無視して論じることはできない。

 基地負担が沖縄に偏り過ぎることは、近年の中国の覇権主義朝鮮半島の不安定要素からやむ負えないと思うし、政府はその代替案として沖縄振興の予算配分などへかなりの気遣いをしているのではないか。

 そして、私が最もおかしいと思うのは、反対派の皆さんから世界一危険な普天間飛行場の危険除去という声が上がってこないことだ。

 辺野古反対には熱心だが、辺野古移転の原点は普天間の危険性を一日も早くトリ去ろうとの発想なのではないか。

 玉城デ二―知事が、県民投票のことを口にしたことがある。
その時、普天間を抱える宜野湾市は、県民投票反対を市議会で可決している。
 尖閣諸島を管轄する石垣氏も同じ動きだ。

 ところが、翁長前知事時代から、そうした地域の住民の声は無視されてきたように感じている。

 国防は国の専権事項だ。日米同盟の要と言える沖縄の基地問題が、一地方自治体の一部の住民の声だけを取り上げて進められては、国は成り立たないのではないか。

朝日、毎日、沖縄の2紙などが盛んに宣伝して、沖縄から米軍を追い出そうとする図式は、かってフィリピンが米軍を追い出してその後に、待ってましたとばかり南シナ海を埋め立て軍事基地をつくった中国の覇権主義を応援する姿と重なってしまう。

 日本人が自国の防衛を真剣に考えるとき、国民が安心して暮らせる環境作りを目指すことに異論が唱えられ、防衛省在日米軍ばかりが悪者になるという構図はいかがなものかと、私はどうしても合点がいかない。