経営者の資質



 毎日日産の取締役会はゴ―ン会長を解任だとか、ルノーはまだ現職のままだとか賑やかだ。

 今日は三菱自動車の解任が発表されていた。

 フランスは新しい経営陣の体制で、トップにルノーからの人材を登用すべきだと政府の大臣クラスが早くも注文を付けて来ているようだ。

 先ず言いたいのは、これまでの日産の幹部クラスがだらしないことだ。カリスマとか剛腕だとか言われたゴ―ンに頭が上がらない屑人間が多すぎたのではないか。

 この際、日産とは無関係の人材や自動車業界以外からの幹部の登用も考えるべきなのではないか。日本という国は人材不足の国では無いはずだ。いろんな分野で時代の変化を読み取り、先進的な感性の優れた人の登用こそ、企業再生の原動力となるはずだ。

 一部ではゴ―ン氏のカリスマ性などを褒めそやす人も居る。
だが、果たしてそうなのか。私にはいくつかの疑問が頭を離れない。

 それは、ゴ―ンが経営破たん寸前の日産を見事に立ち直らせたと、このことを褒める最大の理由にする人が多いのだが、5つかの工場を閉鎖、それに伴う社員の首切り。このようば合理化は冷たい人格の人間なら誰でもできるのではないかと思ってしまうのだ。

 日本の経営者の多くは、なんとかリストラという最後の大ナタを振らないまま、再生の道を探れないかと悩むのだ。リストラで人生が変わるのは従業員だけではない。その従業員を支えてきた家族の人生まで犠牲になるのだ。みんなこのことで辛い思いをして試行錯誤しているのではないか。

 そして、経営者たるもの、未来の変化をどう読み取るかで、その能力が決まる気がする。
 気がついて時は、強引な経営者に何も言えず、自社の半分近くの株式を渡してはならない企業に取得される。挙句の果てには人事から企業の経営方針まで、外国企業の思うままにされる。

 今こそ偉大な先人がどのようにして危機を乗り越えたかなどを思い起こしてもらいたい。

 幸い日本には、企業人だけでも松下幸之助、本田壮一郎、出光佐三土光敏夫など素晴らしい歴史に名を成す経営者には事欠かない。
 このような、先人の爪の垢でも飲んでみることが必要なのではないか。

 経営者には、未来を見通す先見性と常に敵に包囲されていると言った危機意識が必要だと思う。