安倍首相、先人の轍を踏まないで②




 小森氏によると、ODAの出発点は大平内閣のとき、その総額が大幅に増えたのが竹下昇首相の時という。

 「中国人民の心のアピールが主目的」と竹下氏は明言したそうだ。
しかし、中国人民は、日本からのODAを知らないから伝わるはずがない。

 小森氏に言わせると、中国政府がODAのために対日友好を増やした証拠は皆無だと、切り捨てる。

 逆にODAがさらに巨額になった90年代を見ても、「抗日」の名のもとに日本への敵意を自国民へ煽る共産党政権の宣伝や教育は激しかった。

 1989年の第2次天安門事件のあと、鄧小平政権を引き継いだ江沢民は、教育機関を通して、徹底的に反日教育を行った。この間に日本政府は巨額なODA援助を進めたのだ。

 日本の政治家は何を考えていたのか。挙句の果てが尖閣諸島は俺たちの島だと、現在ではそこを大切な漁場として生活を成り立たせていた石垣島などの人々は近寄れない環境になっている。

 注目すべきは、政府の「ODA大綱」で、、日本のODAが「軍事用途への回避」とくに相手国の「軍事支出、大量破壊兵器、ミサイルの動向に注意」そして「民主化の促進」「人権や自由の保障」に合致することを規定していた。

 ODAは、この全てで違反した。

 また、日本のODAで整備した福建省の鉄道網は、台湾への攻撃態勢とる部隊の頻繁な移動に使われた。
 当時の台湾李登輝総統は、鉄道にだけは浸かって欲しくなかったと、来日して日本政府に直談判したらしい。

 わが国の40年近くに及ぶODAは、このような自国の首を絞めるバカげたことに使われていたことになる。
 長くなるのでこれで止めにするが、今、アメリカとの貿易戦争で中国習近平政府は、かってない危機に立たされている。

 今回の安倍首相の中国訪問の歓待の仕方を見ていると、歯が浮きそうな感じになるのは私だけであろうか。

 中国人が笑顔をたたえて近づくときは、一番警戒を要するときだ。
安倍首相は、先人が犯したバカげた行為を繰り返さないように、努めて冷静な対応をとっていって欲しい。