冬の足音が聞こえてくる前に


 今朝の飯田高原の最低気温は2度だった。
起きて家の周りを歩く。吐く息が白い。

 昨日終えた草刈りのあとを、がんぜきで掃いて行く。

 小山のようになった、枯れ草に火を付けるが朝露か霜のせいで、水が滴り火はつかない。

 諦めて家の中に入り、ストーブに点火する。
昨夜就寝まえに灰をかけた火鉢の炭火がまだ残っていた。

 さすがに備長炭だ。着火には苦労したが一端”オキ”になると、日持ちは良いしちょっとやそっとでは火は消えない。

 新しい炭を継ぎ足し手をかざす。炭火の柔らかな温っかさが手先から伝わり、何とも言えない良い気持ちだ。

 飯田高原は来月に入ると、冬へ向けて光景がハイスピードで変化して行く。
先ず、郷を囲む山々は、双眼鏡を除くと頂上付近が赤く染まっている。来週は麓めがけて紅葉が下降を始めるのだろう。

 冬を前に水回りの点検が必要だ。
止水栓を除くと、春から夏にかけて落ち込んだ黒い砂のよう土がバケツ一杯コックにかぶさっていた。

 ここを訪れるのは、今年はあと2回ほど計画している。
冬の凍りついた路面上を運転する勇気は無いので,近年は11月途中から春が来るまでは飯田には近づかない。

 草刈りで燃やした草は、程よい灰になった。冷えるのを待ちビニール袋に入れて持ち帰った。45リットルのゴミ袋2杯分ができた。
 自宅の家庭菜園の肥料になれば、1石2鳥だ。