南シナ海仲裁裁定”無視”して2年!中国の実効支配着々…「法の支配」揺らいだまま

 
 8月28日の産経ニュースで
[緊迫・南シナ海] 南シナ海仲裁裁定”無視”して2年
              中国の実効支配着々…「法の支配」揺らいだまま

 という記事が掲載された。
オバマ政権時代の”穏健路線”の政策が、中国を怖いもの無しの状態にして、世界の軍事バランスの崩壊に手をかした結果になっている。

 つい、オバマ政権時代の失点だけに話題を集中させてしまいそうだが、日本に責任は無かったのか?いや、日本もそのオバマ政権の穏健路線を支持して、中国が進める覇権主義に手をかしたきらいが大いにあると考える。

 日本の将来、国民の幸せ、平和の維持などを考えた場合、日本は関係諸国に強く訴え中国包囲網の構築に努力すべきだったのではないか。すべて、結果論的になるので、人によっては今ごろ何を言うかと、反論をもらいそうだがハーグの仲裁裁判所の裁定は、一つのチャンスだと言えた。

 この機を逃さず、多くの国に働き掛けて中国へ国際的な圧力をかけていれば、今の事態にいくらかブレーキをかけられたのではなかろうか。

 ベトナムやマレーシアは、中国への警戒と過去の衝突などの教訓から、中国が提案している、南シナ海の紛争回避に向けた「行動規範」に対して、真っ向から異論を唱えている。
 だが、パラセル諸島の管轄権を争うフィリピンのドゥテルテ大統領は、経済支援と引き換えに仲裁裁定の棚上げに応じる姿勢を見せて、関係諸国の思惑は一枚岩ではない。

 南シナ海での中国の狙い通りに現実が進めば、将来日本にとっては海外との交易上の重要なシーレーンを中国に抑えられ、国家経済や国家防衛へ著しい影響が出ることは間違いない。

 私はここまで話しを進めるとき、いつも現行憲法の9条が主張の障害となってくる。
9条を廃止して、大きな防衛上の制約が取り払われたら、それだけで中国への威圧は増し、傍若無人の振る舞いにブレーキをかけることが出来るのにと、歯がゆい思いが頭に広がる。

 ハーグの仲裁裁判所の裁定が出ても、国際司法を無視した中国の振る舞いをどの国も見て見ぬふりをすれば、国際間での法の支配は崩れ、平和のバランスまでおかしくなる。それで良いのか。日本国民は冷静にそこのところを考えるべきと思うのだが…。