日本パラリンピックの父



 
 2歳の行方不明だった男の子を、入山わずか30分で発見、一躍ときの人となった尾畠春夫さんは、大分県の日出町に住む。
 その日出町の隣の別府市に「日本パラリンピックの父」と呼ばれる「中村裕医師」は生まれ育った。

 先日、その中村裕氏の足跡をドラマ化した「太陽を愛したひと~」の放送があった。
遅い時間だったので録画して置いて昨夜ようやく見ることが出来た。

 向井理が中村医師、上戸アヤが奥さんを演じていた。
1時間15分のドラマなので、最後の方があっけなくて物足りなさが残ったが、中村先生の歩いた足跡をかなり忠実に追って、ドラマは造られていたように思う。

 私がこの仲村先生を尊敬するのは、この人の障害者に対する姿勢だ。障害者を気の毒な存在と見るのではなく、健常者と同じ目で見る。そして、身体が不自由だからとそれをいたわる心を持ちながら、障害者の自立の道を懸命に探り、それを実現させたことだ。

 世界で初めての国際車いすラソンを成功させたあと、体調が悪化して行き一番仕事が充実するころの57歳でこの世を去られたことが、残念でならない。

 先生が障害者自立の施設として造られた「太陽の家」は県内に数か所が稼働して、立派に業績を上げていると聞く。

 日本はまだまだ障害者に対しての理解が足りないと、各省庁の水増し雇用の問題などで感ずるが、中村先生の意思が日本国民へ伝わるように、障害者の自立が進むことを願いたいものだ。