記念になった日


 特別な誕生日だと、数日前から娘が孫を連れて帰省していた。
 昨日は、以前から予約を済ませていた県内で最大のリゾートホテルで、誕生会をしょうと別府へ出発。

 日曜日にもかかわらずホテルは満員、夏休みだからだろうか。若い家族連れが多い。
 別府市には、APU(立命館アジア・太平洋大学というのがあって、学生の半数は外国から来た留学生だ。
 ホテル業界は人手不足、アジア系やイスラム圏の大学生は日本での高い生活費の足しにと、互いにマッチング上手くいっているのか、大勢の留学生アルバイトが働いている。

 どの若者も良く教育されていて、接客態度がとても良い。
一人の若者に声をかけたら、カザフスタンの青年だということが分かった。
日本で学業を習得し、このホテルで働けることをとても喜んでいた。

 巨大リゾートホテルは、食事をする部屋もでかくてそこに数百人の宿泊客を入れてバイキング料理をふるまう。
 私はバイキングが苦手なのだが、いつもなら家内と二人で早々とすませる食事が娘や孫のエスコートがあって、美味しく楽しめた。

 私に内緒で、ホテル専属の音楽コンボに依頼していたのであろう。
食事会場を回っていた男性2人女性2人のコンボが私の席へ来て、私に笑顔を送りながら”ハッピイ・バースデイ”を歌い始めた。
 ほかの席から拍手が湧いて、私は年甲斐もなく嬉しいやら照れくさいやらで、やたらビールをのどに流し込む。

 壮年期から老年期へ入るころは、誕生日なんて”別世界”への一里塚だと、ひねくれていたのだが、昨夜は素直な気持ちになり、家内や娘の温かい気持ちに感謝いっぱいの素晴らしい記念日になった。