「55年ぶりの大発見」が世界中で大ヒット・コルトレーンよ永遠なれ!


「55年ぶりの大発見が世界中で大ヒット
           ジョン・コルトレーンはなぜ「特別」なのか

 という記事が昨日の産経ニュースで報じられた。
奇しくも今日は、そのコルトレーンの51回目の命日だ。

 私も昨日まで、飯田の山にこもり手持ちのレコード(CDは1枚も持っていない)からコルトレーン演奏のものを引っ張り出して、大音声でジャズの洪水を浴びてきた。

 外で作業していた家内が私に用事があって携帯で連絡するが、全く応答が無いので心配になり家に帰ってきた。家が近くなると大音響の「朝日のようにさわやかに」などが聴こえて来て、ジャズ嫌いな家内はすっかりご立腹。

 と、このような山小屋生活を3日ほどおくった。
今日7月17日は、あの人気俳優の石原裕次郎さんの命日でもある。だが、私にとっては、コルトレーンの方が何倍も気になって仕方がない。

 1966年7月3日は、あのビートルズが日本の音楽ファンの心を虜にして日本を離れた日だ。その3日後の7月6日、コルトレーンが公演のため来日した。

 この年、私は大学を卒業、ある金融関係の企業に入社して3か月が経過していた。当時は千葉県の柏市に住んでいたのだが、コルトレーンのライブにはチケットが入手できず出かけることは出来なかった。

 ただ、この頃のコルトレーンは、どんどん宗教の影響を受けて、発言も以前とは違ってきていた。
 東京公演の来日記者会見では「私は聖者になりたい」とか言って周囲を驚かせた。当然音楽にも宗教性がにじみ出るというか、ソロの時間がとても長くなり、周りを固めるドラムスのエルビン・ジョーンズやピアノのアリス・コルトレーン(2度目の妻)がソロを受け継ぐのに苦労したようなことが、その後の評論家の意見として出ていたと記憶している。

 「至上の愛」のレコ―デイングの吹き込みの後、半年くらいで「アセンション」を吹き込んだ。この演奏は、簡単なコード進行の打ち合わせのあと、混沌としたカオスの世界が作りだされる。
 私は、コルトレーンが完全な精神世界へ入り込んだなと、その先の変化がどうなるかを予想したりもした。

 この度発見された”幻の録音”は、彼が宗教色を高めていく数年前の演奏だと思われる。どんなものか、興味は尽きないのだが田舎に引き込んだ私には、このCDが入手できるか心配だ。

 ジャズを話題に取り上げたらきりがないので、このあたりでやめておこう。