同盟国をコスト判断で見捨てるのか 米国内で批判噴出


 金正恩との首脳会談の後、トランプ米大統領が「費用が莫大で、北朝鮮に挑発的だ」と、これまで続けてきた、米韓合同の軍事演習を中止すると発表した。

 さらに、在韓米軍の撤収まで言及していることについて、アメリカ国内では多方面から批判の意見が噴出している。

 保守系メディアや共和党の重鎮からも
 民主的価値観を共有する同盟諸国を、コスト判断で見捨てる行為だ!
 として、続々と批判があふれ始めているようだ。

 「トランプ氏が朝鮮半島での挑発を失くしたいのなら、金正恩氏に南北軍事境界線に配置された北朝鮮軍砲兵部隊を、ソウルが射程に入らない場所まで後退させるように頼んではどうなのか」
 米紙ウオールストリート・ジャーナル(18日付)は社説で、米韓演習の中止を一方的に表明したトランプ氏を痛烈に批判した。

 在韓米軍は北朝鮮の南進を抑止するだけでなく、北朝鮮の後ろ盾である中国が韓国にまで政治的影響力を行使するのを防ぎ、日本や台湾など民主的価値観を共有する勢力の安全を保障するのに不可欠だ。

 ワシントン・エグザミナー紙社説も
北朝鮮がやすやすと(譲歩を)引き出したことで、西太平洋での支配確立を戦略的目標とする中国は歓喜している」のは確実だ。

 トランプ氏が問題視する米韓演習の費用について、国防総省報道官は「計算中」として明確な数字は出していないが、一部試算では「1回につき数十万ドル(数十億円)程度」とされ事実とすれば決して高額とはいえない。

 在韓米軍撤収を核放棄の取引材料に使おうとするトランプ氏に対しては、議会でも懸念が広がっている。

   ここまで、産経ニュースから引用

 トランプの思いつき(?)で、戦後何十年にもわたって民主主義陣営の安定と平和の構築を目指してきた、日米の同盟関係にひびが入ろうとしている。

 この状態を一番喜んでいるのは、上の記事でも書かれているが、世界制覇を狙う中国であることは間違いない。

 さすがに米国内でも事態を重く見て、政界だけでなく報道界からも、問題視する意見が続々と出ているようだ。

 だが、米国国民が、自分たちが愚かな人物を大統領に選んだことへの自覚がない限り、この不安定さは続くことだろう。米国内がごうごうたる大統領批判で溢れたとしたら、大統領の弾劾、罷免のほうに風が吹くのではないかと思うが、そのような事態になることを期待することは無理だなあ。

 わが国としては、何でもかんでもアメリカ頼みするだけでなく、今こそ、わが国独自の防衛体制研究を積極的に進める時期が来ていると思う。