わが国の安全保障、米国が期待できないことを知らされた米朝会談



 世界中が注目した”米朝首脳会談”が終わった。
結果は、私が考えていたとおりで、米国の政府関係者やトランプ大統領の意気込みは、前宣伝だけに終わり、北朝鮮の曖昧な態度、返答にトランプがすり寄る姿勢が見え見えだったような気がする。
 この人の正体は、単なる商人で世界平和やアメリカの役割などは頭の中にないのではないか。
 私には、この人の頭の中は、”ノーベル平和賞”やいかにして自分の名前を歴史に残そうかなど、個人的野心で一杯なのではないかとさへ思えてくるのだ。

 もちろん、初めての米朝会談で、誰が考えても難しい懸案事項が、そう易々と決められていくなんてことはあり得ない。だから、今回の会談はあんなものかと、変な納得もするのだが、大国アメリカの大統領として、自国の元首(?)のホテル代も払えないような国のトップへ、どうしてすり寄る姿勢が必要なのか理解が出来ないのだ。

 驚くのは、 トランプ氏が、米韓合同軍事演習の中止まで言及したとか。トランプ氏は在韓米軍の引き揚げも視野に入れているとも聞く。こうなると、極東アジアの安全保障は根本から考え直さなければならなくなる。

 世界中が期待したCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)などに、トランプ氏は本当に触れたのか?

 マスコミを通じて発表される内容は、時と金の無駄遣いショ―を見せつけられた思いがした。
 G7の重要会議もうわの空で、のこのこシンガポールへ出かけたトランプ氏。この人物に外交能力の欠如を世界に晒した会談になったのではないか。

 日本としては、拉致問題も安全保障も、この大統領のもとでは、米国を当てにして戦略を練る無意味さを思い知らされたともいえる。

 日本の国民一人一人が、国防に目覚め、どのような行動が最も必要なのか。憲法は今のままで良いのか。などを真剣に議論する段階へきていることを思い知らされた米朝会談であったともいえる。