笑い転げた昼食


 私の病気の関係で、最近あまり外食はしないのだが、今日は時間の都合からラーメン屋さんに出かけた。
 ラーメン店であるが、いろんなメニューから美味しいものを選べるので、ときどき立ち寄るのだが、今日はお昼のラッシュ時に入店したので、店は数十人のお客で満員。

 店員さんたちは、店の中を走るようにして、お客さんをさばいていた。
我々は、健康のことを考えて、この一年くらいはいつも「チャンポン」を注文する。
麺を少なめにしてもらい、他に食べたいものがあっても我慢、我慢のひと時を過ごすのだ。

 やがて注文のチャンポンが出来上がり、我々のテーブルに到着。
私は、腹八分目を守っているので、いつもお腹は空腹感で一杯だ。

 早速、食べ始めたのだが、目の前で家内がぶつぶつ言いながら、盛んにチャンポンのどんぶりに箸をつけてかき回すようなそぶりをしている。
 私は食べるのをやめて、家内に
「どうして食べないのだ。冷えたらおいしくないぞ」

 すると、家内は腑に落ちない表情で
「あなたのには、エビもイカも豚肉もたっぷり入っているのに、どうして私のには入っていないのよ~」
 と、不服顔で私を見つめる。

 何か、私が悪さをしたみたいに見つめるのだが、当然のことながら私は何もしては居ない。
 私が
「ほら、入ってないのなら私のを少しあげるよ」
と、エビや豚肉の塊、イカなどを箸で家内のどんぶりに入れてやる。

 店が忙しいので、均等に食材を入れる余裕がなかったのだろう。
確かに、私のと家内のとでは、中身が大きく違う。

 家内は、どんぶりの底の方に,箸を入れて未練たらしく豚肉などを探している。やがて
「掘っても、掘っても、エビもイカも出てこない。いくら忙しいといっても同じ金を支払うのだから、均等にいれてくれないとねえ」
と言いながら、 お腹が膨らんだからか、機嫌を直しながら食事を進めた。

 私は家内の「掘っても、掘っても…」という表現が面白くて大笑い。
それにしても、食事制限のかからない人は羨ましい。
 家内は大食いではないが、美味しいものは大好きだ。大笑いできた今日の昼食は私にも楽しいものになった。