忙しい一日だった。

今日は家内が、叔母の入居する施設でボランティアの読み聞かせを行う日。
 ところが、このところ体調不良の私は、家内から頼まれていた桜、梅、桃、その他の花が樹木に咲いている挿絵を描くことを、今日までさぼっていた。

 慌てていつもより早起きして、書き始めるが、気持ちだけ焦って上手く描けない。
とくに、幹の部分の質感を出すのが難しい。

 幸い、気温が上がり、絵の具の乾きが速いので、それだけは助かった。
午後になり、何とか出かける準備が出来て、施設へ。

 家内が、私の挿絵を見せながら、桜にまつわる話を開始する。
それが終わるまで、私は外の車で待機するか、施設の空き地を中心にウオーキングするのが、いつものパターンだ。

 今日は、疲れが出て、車には居ると眠気が襲ってきた。
家内と打ち合わせていたので、話が終わると家内が車いすに乗った叔母を連れてきた。今年は、お正月を我が家で過ごしてもらったのだが、その後は寒い日が続き、風邪でも引いたら大変と、外出は控えていた。

 今回は、我が家にステイしてもらい、花見などへ出かける。そのプランに叔母も喜んでくれて夕方、我が家にたどり着いたというわけだ。
 以前は、他人の私に申し訳ないと、私が誘っても遠慮していたのだが、8年目に入りやっと私にも心を開いてくれるようになった。

 さらに、他の入居者に聞いてみると、日ごろは強がりを言っていても、1年に数回私たちが行けない日があると、さびしがっているという。
 私も家内も、両親が居なくなって久しいので、最近は叔母のお世話をするのが生きがいになりつつある。つまり、私たち夫婦の元気は、叔母の世話という責任感がそうさせているようなのだ

 ただ、基本は施設住まいだから、それだけ気が楽だからできるのだろう。
叔母は、すっかり我々夫婦を頼りにしているので、私たちは最後まで責任を持ってお世話をしょうと、よく話し合う。

 日本の少子高齢化問題は、政府や識者がいくらいろんな手を打っても解決は難しい。
 いずれは、私たちの世代にも迫る問題で、それぞれが、どんな老後を迎えるべきか、元気なうちから家族と話し合っておかねばならないだろう。

 さて、そろそろ、喉が渇いてきた。冷たいビールが上手そうな時間になってきた。