地熱エネルギーを何故、有効活用しない


 宮崎と鹿児島にまたがる「新燃岳」で、また、爆発的噴火が起きた。
河口付近から流れ出る溶岩流の映像を見ていると、自然の脅威に驚くばかりだ。
 日本は、環太平洋火山帯に属する、世界有数の火山国だ。

 火山が爆発するたびに、大きな災害に見舞われ人間が犠牲になったりもする。
しかし、火山の下に広がる広大な地中には、何千度という高温の地熱が、エネルギーとして眠っている。

 私は、これをどうして有効活用しないのだろうかと、長年にわたり考えてきた。
日本の国土は狭くて、山岳地帯が多い。
 鉱物資源や化石燃料などの資源は、極端に少なく”資源小国”だと言われてきた。

 だが、地熱エネルギーに絞って考えると、決して”資源小国ではない。
地熱の保有面から推定されるエネルギーでの日本は、アメリカ、インドネシアに次いで、世界で第3位の地熱資源大国だ。 

 ただ、この豊富な地下資源の有効活用が行われていないことが、私にはいつも気がかりで仕方がないのだ。
 地熱発電の設備容量でいうと、アメリカ、フイリピン、インドネシアと続き、日本は8位と資源が豊富なのに、活用されてはいない。

 多くの日本人は、原発の良しあし、化石燃料を使うことでの温暖化などは議論するが、超クリーンな地熱発電のことは話題にならない。
 
 また、地熱発電が進まない理由に、「自然公園法」と「温泉法」という法律の壁もある。
 わが国の地熱発電の立地を考えると、ほとんどが、国立公園内にあるkことがネックになっており、環境庁などの関係省庁からの認可が下りるまでには、ずいぶんと折衝が必要らしい。
 次に、温泉利用の業者の理解が進まないことも一因らしい。

 地熱発電のためには、地中3000メートルくらい深く掘り進めて行く必要があるという。温泉の出方が悪くなるとか、温泉源が枯れるとか、温泉業者との話し合いが進まない地域もあるという。

 日本の発電エネルギーの地熱発電が占める割合は、わずか、0,025%ほどだという。
 不安定な再生可能エネルギーの頼るのではなく、安定供給できる地熱利用をもっと真剣に考えたらどうだろう。