判決 虚偽がまかり通っている

 昨日16日の産経ニュースの中の[主張]と言うコラムで
[謝罪碑] 判決、虚偽がまかり通っている
 と題した、以下のような文章が掲載されていた。
 
 これが韓国における、裁判の姿なのか。
朝鮮半島で女性を「強制連行した」と虚偽を言い募った故吉田清治氏の「謝罪碑」を無断で書き換えた行為が公用物損傷罪などに問われた元自衛官、奥茂治被告に、韓国の太田地裁天安支部は懲役6か月、執行猶予2年の有罪を言い渡した。
 
 公的施設にある物件を「損傷」したことを重くみたものだ。問題は被告が、審理や判決の詳細を把握できなかったことにある。
 
 問題の碑は、韓国中部、天安市の国立墓地「希望の丘」に1983年、吉田氏が建立した。「強制連行」を指揮した一人として謝罪文を刻んだものだ。
 
 碑の建立時に朝日新聞は土下座する吉田氏の写真付きで報じたが、現在では同紙も吉田証言は虚偽だったと認め、関連記事を取り消している。強制連行説の破綻にもかかわらず、韓国では嘘がまかり通っているのだ。
 
 奥氏は昨年3月、石板を張りつけ「強制連行」の謝罪文を「慰霊碑」という文言に変えた。吉田氏の長男から委任を受け、「韓国人が吉田証言の嘘を知るきっかけになれば」という動機だった。
 
 奥氏は碑文改変の事実は認めたが、肝心の主張が判決にどう影響したか、判然としない。
 
 公判は昨年12月、検察側が懲役1年を求刑して即日結審した。最終意見陳述で奥氏は「碑文が虚偽であることは日本などで認定されている」と訴えたが、この部分は通訳されなかった。
 
 判決の言い渡しは短時間で終わり、詳しい判決理由の全文はその場で被告側に示されず、開示は後日に回された。
 
 極めて異例、異常な裁判と言える。検察側は求刑で「慰安婦問題を歪曲しようとし、韓日外交に新たな摩擦を生じさせる可能性がある」と指摘していた。碑文の真実性は、十分に吟味の対象だったはずである。
 
 奥氏が張りつけた石板は国立墓地側がはがし、碑の横に「碑を書き換え、蛮行を隠そうとしても日本がわが民族を強制徴用し、蛮行を犯した行為は変わらない事実だ」と書いた看板が設置されているのだという。
 
 歴史を歪め、外交を妨げているのはどちらか。公判の場で事実を訴えるとした奥氏の主張は顧みられなかった。日本政府はこれを黙って見過ごしていいのか。
 
          引用終わり
 
 奥氏は、すぐさま控訴したという報道がこの後ニュースで知らされた。
普通に裁判と言えば、真実を明らかにして、どちらに非があったかなどを判断する。
ところが、この裁判では、真実は無視されて虚偽と明らかになったことを前提に審理が進められたのではないか。
 
 無茶苦茶である。
 
 これが民主主義を標榜する国家の裁判と言えるのか。
もちろん、韓国の裁判で、吉田証言、朝日の虚偽による報道が嘘であったと認められれば、これまで日本を悪者にして謝罪、補償を要求してきた国家としての言い分は根底から崩れることになる。
 おいそれとは、奥氏の主張を認めることはできなかった。
つまり、この裁判は、国家による“アリバイ造り”であって、初めからのできレースだったのである。
 
 検察側の、「韓日外交に新たな摩擦を生じさせる」という言い分は何なのか。
すでに、日韓の外交は摩擦どころか、決裂へと傾いて行っているとも思われる。
 
 私は、2つのことに疑問を持つ。
1つは、産経以外のマスコミが、このことにことさら触れないようにしている。朝日や毎日、テレビのニュース、ワイドショーなど、すべて産経ほどの報道、扱いはしていない。
2つ目は、この記事にもあるように、日本政府の動きの鈍さだ。
奥氏一個人で国家権力に対抗するには、限界がある。政府は裏から手をまわして韓国政府との交渉していくことが必要なのではないか。
 
 虚偽の事柄に基づいて行われた裁判で、日本人が有罪となる。こんなことが許されて良いのか。日本政府は毅然とした対応で、韓国への抗議すべきではないのか。