冬至を迎えて

昨日は一年で最も昼が短い日,冬至であった。
 夜が長くて昼が短いとなると、ネガティブな気持ちになりそうだが、視点を変えるとこの日が過ぎれば、日一日と昼が長くなってゆく。
 ああ、これからは温かい春に向けての日々が進むのだ、という気にしてくれる(?)
とは、言っても当分は寒そうだが…。
 
 私ごとで恐縮だが、今年最後の医者通いが終わった。
精進の甲斐あって、診断の結果はとても良かった。
家内も老人ホームでのボランティアを終えて、晴々した表情をしている。
 
 ただし、ホームですれ違ったお年寄りのことが、少し心配になった。
夏の終わりまでは、ホームの玄関で会うと、お互いに挨拶を交わしいろんなことについて話が出来ていた。
 ところが昨日は、私が挨拶をしても、とても久しぶりだったからか、目は私を向いていたのだが、知らない顔で横を通り過ぎた。
しかも、以前は杖一本だけで歩行していたのに、昨日は歩行器の世話になっている。ホームの職員が背中に手をまわして、車の方へ導く。
 
 私は、あまりの変わりようにビックリして、声をかけることもできなかった。
僅か4ヶ月で、人はこんなにも変わるものかと・・・。
 
 年配の人は、環境が変わると、頭の中が心配や不安感で認知症を発生させるということを聞いたことがある。
 この人は、昨年の春に入所したのだが、当時は「子どもが試しに一度体験してご覧と言われて、ここへ来た。一週間の体験だから来週は迎えに来る」と明るい顔で話していた。
 
 それが一週間はおろか、一カ月、二カ月しても迎えには来ない。ご本人もようやく気がついて、表情が少しずつ暗くなっていった。それが真夏のことである。
9月を迎えて、私はこの人と顔を合わすことがなくなった。昨日は4カ月ぶりだったのだが、あまりの変わりように施設の懇意な職員に聞いてみると、どうやら認知症が出て、同時に歩行困難にもなったらしい。
 
 今の介護施設は、ていの良い幅捨て山だなと、帰宅途中の車の中で家内と話し合った。
 年末は、叔母を招待して、いつもは寂しく一人で過ごす年末年始を、3人で少しだけでもにぎやかな時間にと計画している。
 
 今日からは、叔母を迎える準備で張り切ることになりそうだ。