モミジ祭り

  家内の実家は耶馬渓と言う紅葉のきれいなところだ。
ここで毎年”モミジ祭り”と銘打った地域おこしのイベントが開催される。
山里の集落では、若者はにぎやかな街へと出ていき、農村に残されるのは年寄りばかり。
 このままでは、過疎は進む一方で、地域全体の元気が失われてゆくと、家内の弟を中心に村の元気が残っているお年寄りが集まり、8年前にスタートしたイベントだ。
 
 10数年前に、余所から人を呼ぶための名物を作ろうと、地域の人々が山あいの道に数百本のモミジを植えた。
モミジ祭りが始まった頃のモミジは、まだまだ、幼木であったが、モミジ祭りが回を重ねるごとに成長を続け、最近では立派な樹木へと育った。
 寒暖の差が大きい山里では、寒さが本格的になると見事な紅葉に変わる。
 
 今日は朝早くから家内も幼いころから親しんだ故郷へ、応援のためいろんなものを車に積み込み、会場へと出発した。
 
 先ほど帰宅した家内に様子を聞くと、
「昨夜の雨で誰もが人出を心配していたが、雨は午前中でやみ、風は冷たかったが、けっこうなお客さんの数だったよ」
とのこと。
 
 祭りは明日もう一日行われるのだが、アトラクションに我が家のすぐ近くに住む篠笛の名人が演奏にやってくるらしい。
 
 家内は、おそろいの法被を着て、遠くからやってkるお客さんへ土産物を売る売り子の役を引き受けている。
 蜂蜜や野菜など地元で獲れた新鮮ながけっこう売れるのだそうだ。
 
 私は何年か前にお付き合いで出かけたことがあるが、最近はいつも留守番だ。
普通なら飯田高原へと車を走らせるところだが、今週は家内に車を譲ることにした。今夜あたりは、飯田では積雪で雪化粧の真っ最中だろう。