日田市の天領祭りと千年灯り
11月は豊作を祝い、次の年の無病息災などを願って、秋の祭りが多くのところで開催される。
11(土)12(日)は、大分県の西部の町、日田市で祭りのイベントが催された。
日田市は江戸時代、幕府直轄の天領として栄えたところ。
今も市内の豆田町などには、その頃の街並みが残り近郊の街から観光客が絶え間なく訪れる。
この街と、市内を流れる花月川の河川敷を中心にして、千年の灯りがともり続けるようにと、平成17年に始められた”千年灯り”のイベントが今年も開催された。
夜の日田盆地は、冷え込みが厳しく見物に訪れた人々は、みんなコートの襟を立て豆田町をそぞろ歩きする。
孟宗竹を30~50センチに、切り口を斜めに切ったその中に、ろうそくを灯し、ゆらゆら揺れる炎の、ほのかな灯りを楽しみながら、多くの人々が歓声を挙げながら通り過ぎて行く。
川の対岸から大きな歓声が上がる。
私が感心したのは、数百から千本に達しようかと思われる、竹雪洞の中の灯りだ。
竹の多い大分県では、このような祭りはほかでも行われているのだが、孟宗竹の山に入り手頃な竹を切り取り枝を払って街へと持ち帰る。
それを輪切りにしながら長さを揃え,節のところにローソクがセットできるように、斜めに切りそろえる。
全て、祭りの実行委員会とボランティアの人たちの協力で進行される。
燈明の数は半端ではない。
12月の頭には、私の町でも秋の大祭が行われる。
過疎が進む町では、みこしの担ぎ手を集めるのにも、ひと苦労があると聞かされている。
地方のこのような催しは、長く続いて欲しい。
地域によっては、わざわざ祭りの為に帰省する若者も増えていると聞く。
東京など大都市への人口の集中は、抗しがたいことだが、地方が元気を失わずに輝き続ける日本であって欲しいものだ。