日田市の天領祭りと千年灯り

 11月は豊作を祝い、次の年の無病息災などを願って、秋の祭りが多くのところで開催される。
 11(土)12(日)は、大分県の西部の町、日田市で祭りのイベントが催された。
日田市は江戸時代、幕府直轄の天領として栄えたところ。
 今も市内の豆田町などには、その頃の街並みが残り近郊の街から観光客が絶え間なく訪れる。
 
 この街と、市内を流れる花月川の河川敷を中心にして、千年の灯りがともり続けるようにと、平成17年に始められた”千年灯り”のイベントが今年も開催された。
 
 今年は7月の九州北部豪雨で、大きな災害に見舞われた日田市への災害復興の願いも込めて、青森県弘前市からネプタも応援に駆け付けてくれた。
 夜の日田盆地は、冷え込みが厳しく見物に訪れた人々は、みんなコートの襟を立て豆田町をそぞろ歩きする。
 
 孟宗竹を30~50センチに、切り口を斜めに切ったその中に、ろうそくを灯し、ゆらゆら揺れる炎の、ほのかな灯りを楽しみながら、多くの人々が歓声を挙げながら通り過ぎて行く。
 
 川の対岸から大きな歓声が上がる。
花月川の対岸を高さが5~6メートルはあろうかと思われる、弘前のネプタがひき手の掛け声で練り歩く。
 
 私が感心したのは、数百から千本に達しようかと思われる、竹雪洞の中の灯りだ。
竹の多い大分県では、このような祭りはほかでも行われているのだが、孟宗竹の山に入り手頃な竹を切り取り枝を払って街へと持ち帰る。
 それを輪切りにしながら長さを揃え,節のところにローソクがセットできるように、斜めに切りそろえる。
 
 少し乾かし、祭りの前日にはローソクのセット。当日は午後5時過ぎ、あたりが暗くなるころ合いを見てローソクに火がともされる。
 全て、祭りの実行委員会とボランティアの人たちの協力で進行される。
 
 燈明の数は半端ではない。
皆さん、この祭りを楽しんで、毎年大分県は当たり前だが、福岡県や熊本県などからも見物に訪れる人たちの期待を裏切らないように、頑張られたのだなあと、・・・。
 
 12月の頭には、私の町でも秋の大祭が行われる。
過疎が進む町では、みこしの担ぎ手を集めるのにも、ひと苦労があると聞かされている。
 
 地方のこのような催しは、長く続いて欲しい。
地域によっては、わざわざ祭りの為に帰省する若者も増えていると聞く。
東京など大都市への人口の集中は、抗しがたいことだが、地方が元気を失わずに輝き続ける日本であって欲しいものだ。