都会に住む人は、なんと忍耐強いことか

 昨日から飯田高原へ出かけていた。
九州は好天気に恵まれ、紅葉で化粧された山々などを見ろうと、いつもより多くの人出でどこも賑わっていた。
 
飯田高原には、「夢・大吊橋」と名付けられた、長さが390メートル、高さ173メートルの歩行者専用の吊橋がある。
 最近はいくらか見物客が減少していたのだが、吊橋から見る紅葉の素晴らしいさに我も我もと観光客が押し寄せる。
 我々は、多くのマイカーの渦に飲み込まれ、おいそれと近づけない。
特に、最近は外国人の見物客が3分の1を占め、地元の観光協会はホクホクの様子だ。
 
 私も数年ぶりに、近くまで出かけきれいに染まった「九酔渓」を見下ろす。中間に見える名瀑百選の「振動の滝」とのコントラストには、思わず拍手をおくりたくなる。
 
帰りは、欲を張ってよせばいいのに、深耶馬渓へと車を走らせた。
この時期は、狭い道路を多くの車とすれ違い、モミジの様子を写真に撮る歩行者も多いので、毎年避けていた。
 それをもう深耶馬渓の紅葉は終わっているだろうから、あまり渋滞は起きていないだろうと、たかをくくったのが大間違い。
 
 一番の名所へ近づくにつれ、車は動かなくなった。
途中で大型の観光バスとすれ違うと、道の狭さからどの車も動けない。
そんな状態に、この道を行こうと提案した家内が、初めにイライラを口に出す。
私も同じてイライラすると、事故になりかねない。
懸命に我慢しながら、ハンドルを握った。
 
 結局わずか3キロの区間を通過するのに、70分もかかる。
渋滞を抜けホッとすると、空腹が襲ってくる。
私は田舎住まいなので、このような渋滞は数年に一度くらいしか経験しない。
 
 人口の多い都会で暮らす人々は、よくもまあイライラを抑えて暮らせているものだと感心させられた。
 
 結局、いつもなら2時間程度で帰宅できるのに、4時間以上かかって家にたどり着くことができた。
 ああ、疲れたあ!