日本が核保有を宣言したら

 今回の北朝鮮による6回目の核実験の後、お隣の韓国では一気に「我々の国も核を持って、国防に備えるべきだ」との気運が高まっているようだ。
 
 その点、唯一の被爆国、わが日本の場合は核アレルギーが凄くて、日本も核開発の検討をすべきではないのか、などの意見を吐こうものなら、学者、マスコミ、政界などからもの凄いバッシングを受ける。
 
 核に対する反応が他の国々とは違うということは、理解できるのだが、一つの提案に対して理性的に検討することは、何事にしても大切なことだと思う。
 ところが、我が国では”核保有の検討”などと言おうものなら、マスコミでさえ問答無用の感情論で批判的意見を爆発させる。
 
 日本国憲法には、どこにも核保有を禁止するとは書いていない。
したがって、憲法上核保有の検討を行うことについては、さすがの憲法学者も異論はとなえられないはずだ。
 
 私が”日本の核保有の検討を行う”という宣言で最も興味を持つのは、その後の中国の反応だ。
 中国はこれまで北朝鮮の暴挙を懸命にかばってきた。
今回の国連安保理での石油の禁輸の提案に対しても、反対の態度を表明している。
 
 さらにこれまでの6カ国協議が、まるで無意味だったことを知りながら、未だに対話を重視すべきだとの姿勢を崩さない。
このような中国は、我が国が核保有の検討を始めると宣言した場合、どのような態度を取るのであろうか。
 我が国とも対話を重視して、核保有をやめさせる方向で行動を起こすのか。
それとも、日本の核保有はこれからの中国の覇権主義の大きな妨げになると、北朝鮮に対する対話路線などかなぐり捨てて、圧力をかけてくるのか。
 
 ロシアにしても同様である。
これらの国々は、日本は憲法で交戦権を持たないと決めているから、これまでは日本に対してどんなことをしても、口先だけの抗議で実害はゼロだと決め込んでいる。
 
 もっとも、核保有の検討を始めるとした時点で、いろんな方面からのヒステリックな反対意見が飛び交い、内閣の1つや二つは吹っ飛ぶことになるかもしれない。
 しかし、自国だけの権益などをもくろんで、北朝鮮に対し効き目のある核開発中止の行動を取らなかった国々が、どんな反応をするのか興味は尽きない。