ハウステンボス

10年ぶりだか忘れたけど、ハウステンボスへ出かけた。
九州の西のはずれ。
 できた当初からたくさんの負債を抱えて、経営が行き詰ったりはしないのだろうか。と、出かけるたびに心配していた。
 案の定、経営に行き詰まり創業者は早々と引退。後を継いだ人の下でも悪戦苦闘の末、倒産してしまった。
 私が片道4時間をかけて、出かけて居たのはこのころだったと思う。
ここへ出かけると、日々の多忙さを忘れのんびりと休暇が楽しめた。
経営再建団体になってからは、ここを訪れるのが怖くて永いこと敬遠していたともいえる。
 
 昨日の空模様をみながら、午後には天気は回復するという予報を信じて、重い腰を上げた。
  途中中津あたりで早くもかなりの雨の洗礼を受ける。
日田経由で行くために、先日の九州北部豪雨の山国、日田、朝倉を通過して車は進んだ。
 私の経験から1時間に20ミリ程度の雨が、車を容赦なく襲ってくる。
日田から高速にまり佐賀県に入ると、事故のための渋滞が始まり、車は少しも進まない。
 
 気が付いたら雨は上がっていた。
とりあえず、その点だけはホッとさせてくれたが、いつもより1時間半遅れて到着。
ついてみると、ハウステンボスの様子がまるで違う。
 
 ああ、民間人の完全な経営というのは、利益を追求するため、今までのお客本位の点を洗い直し、厳しい路線に変更して活気を取り戻したのだなと、すぐに気が付く。
 先ず以前と違うのは、年齢層だ。小さな子どもが一日中では遊びきれないような施設に変わっている。
 夜の花火を見るのに、良い席は有料化して施設の収入アップを図っている。
どこを回っても、音量の大きな音楽を慣らし、各施設の前では従業員の呼び込みの姿が目に付く。
 
 最近、経営母体が変わり、黒字に変わったとか。
なるほど、経営陣の血のにじむような努力が、こうやって花開いたのか。と、私なりに合点する。
 
 私は以前のハウステンボスが好きだが、経営に行き詰まるような事態が起こると、好きだとばかりは言ってはおれない。
 地元の佐世保という自治体にとっても、従業員の雇用にとっても。企業は繁栄ししなければ意味がないのだ。
 
 片道4時間を運転して行くのは、さすがに疲れた。
私がこの施設を訪れるのもこれが最後かな、と神妙な気持ちになりながら家路に就いた。