見事な高校生たち

 今から93年前の大正12年9月1日、あの関東大震災が起こった。
私たちの防災意識を高め、被災の犠牲を出来るだけ少なくするため9月1日を”防災の日”と定めた。
 
 昨日の夕方は、TBS系の番組「Nスタ」で、今年の4月14,16日に起こった熊本地震で見事な活動を続けた「熊本北高校」の生徒の皆さんの活躍を取り上げていた。
 
 大きな地震などが起こると、当然のことではあるが現場は混乱し、被災した人々は少しでも安全なところを求めて殺到する。
 熊本県でも事前に災害非難指定の箇所を何箇所か決めていたのだが、この北高校は指定の避難場所には指定されてはいなかった。
 
 当日はこの周辺の人々が、この北高校へ一斉に押し掛けた。
友達がここへ避難している事を聞いたこの学校の生徒が、少しでも役立つならと飲み物や口に入れるものを所持して学校へ駆けつけた。
 そこで見たものは、予期せぬ大勢の人々の混乱した姿であったらしい。
 
 そのうち、他の友達も同じような理由で駆け付けてくる。
数日が過ぎると、災害を免れた各地から多くの救援物資が届くようになった。
この災害時の救援物資の管理は、その扱いを誤ると”それによる二次災害”となる例が奥尻島地震や神戸の震災で示された。
 
 この熊本北高校は、災害非難の指定場所ではない。見る見るうちに救援物資が集まり始め、それを管理、指揮する人は誰も決まっていない。
その様子を目前にした北高校の生徒たちは、すぐに自分たちでできることを行おうと話し合い実行に移した。
 集まった仲間を「食事班」「物資班」「情報班」などに分けて、被災した人々(多い時は800人分の食糧を調達、料理もつくる)に食事をふるまう。届いた救援物資の管理、そこですぐになもの必要なもの、他所の避難場所に分けて上げられるものなどを仕分けする。SNSを使い情報を集めたり、発信したりして支援の輪を広げる。
 
 こうした活動を見事にやってのけたのだ。
落ち着きを取り戻した被災地で、この高校生たちは今は自分自身の次の目標に向かい、大学受験の準備などの日常の高校生活に戻っているらしい。
 
 私はこの高校生たちの見事な働きに、大きな感動を覚え胸を熱くしながらこのニュースを聞き入った。
 これからの我が国を託すことのできる若者が、少しずつではあろうが全国のいろんなところで育っているのであろう。
 大変嬉しく、将来に向けて大きな希望が持てる気分になった。