夏の目覚まし

 毎日早朝からけたたましい蝉の鳴き声で目が覚める。
昨夜は眠りに就くのが遅かったので、寝不足がきつい。
しかし、蝉たちはこちらの事情などお構いなしだ。
 
 特にひどいのは「クマ蝉」の羽音。
このセミは一匹だけの羽音でも相当に大きい。
我が家ではこれが10匹程度桜等の幹にへばりつき大合唱を行う。
 
 最近は関東などにも進出しているらしいのだが、蝉の声ときけば、アブラ蝉やミンミン蝉だ。
 しかし、九州の蝉の代表はクマ蝉と言ってよい。
「ワシ、ワシ、ワシ…」とけたたましく鳴く。これを聞くと当分涼しさとは無縁の生活を余儀なくされると、あきらめの気持ちが頭を支配する。
 
 そういえば、昨年あたりから自然界の虫たちに微妙な変化が起こっている。
私がクマ蝉の初鳴きを聞いたのは、7月2日。順番で行くとニイニイ蝉、アブラ蝉、クマ蝉と吐き始めていたのだが、昨年から一番初めにクマ蝉。ニイニイ蝉は未だに泣いていない。
 
 驚くのは夏の終わりを告げる「つくつく法師」が7月20に鳴き始めた。
さらに「秋の夜長を鳴きとおす・・・」はずの「クツワムシ」が7月25日に早くも初鳴きを行った。これも昨年からの異変だ。
 
 日中はクマ蝉の大合唱。夜はクツワムシのけたたましさ。
本来は静かな日々を送れるはずの田舎は、すっかり虫たちの天国になったようだ。