施設にあづけていることで安心する家族

”保育園落ちた。日本死ね!”と誰が書いたのか匿名(?)の口汚いツイートかブログか知らないが、世間をにぎわせている。
 国会でもこのことを取り上げて、野党が与党を攻撃材料に使った。
働きたい親にとっては、我が子を保育園に預けることができないと仕事に就くこともままならない。
 国会で与党の責任を追及されて、与党の幹部まで浮足立つ(?)状態だ。
このツイートか何かを書いた人の気持ちは分かるのだが、表現の仕方が何とも品がない。
 もう少し言い方を工夫すれば、多くの人々の心にさらに訴えることが出来たのではないか。この感情むき出しの文章が本当に誰かが書いたのであれば、どうも少し引いて今う。
 ところで、昨日は所用で出かけられなかった叔母の暮らす介護施設へ出かけたところ、毎日のように訪れる私たち夫婦とすっかり仲良くなった90前のご老人が、右腕を包帯で吊るして”一プク”中のところへ出合わした。
 
 ビックリして様子を聴いてみると
施設内のエレベーターの中で、認知症で施設の中をいつも徘徊している人と出会った。降りたい階まで来たので、通して下さいと言ったら、認知症の人は嫌だと拒否。
 横をすり抜けてエレベーターの外へ出たら、認知症の人は車いすで老人に向かって突進。高齢の老人は頭をかばい手を突きながら廊下へ倒れた。
しかし、右腕に痛みが走り起き上がれない。その様子を見つけたヘルパーさんが走り寄って助け起こした。
 痛みがひどくなり腕は熱が出てきたので、即、医者の所へ出かけたらしい。結果は右腕骨折でこの人は右腕が利き腕なので大層不便することになった。
近々手術するか時間をかけて自然に治癒する方法を選ぶか結論を出すらしい。
 
 問題は、こんなとき突き倒した認知症の人への賠償責任を求めることはできないらしく、それでは誰が責任をとるのか。施設か、認知症の人の家族なのか。それとも本人のやられ損で終わるのか。
 私はこれ以上の詳しいことは知らないし、私が口をはさむ問題でもないので何も言えないが、叔母も身体障害者。ときどき叔母から乱暴する入所者が居て認知症だから気をつけているという。
 
 老人を施設に預ける家族の方々は、預けてしまうと安心して初め熱心に施設へ通うのだが、時が経つにつれてその頻度は落ちて行く。
施設内でどんな生活をしているのか、入所のご本人の様子を見ていると快適か不安を抱えているのかなどいろいろが見えてくる。
 
 とくに認知症が進むと、家族が施設任せになりがちなような気がする。
そして認知症にかかると、記憶機能が弱くなりどうせ出かけても誰が来ているかも解らないから、言っても無駄だと考えるようになるかぞくもいるのではないだろうか。
 今の団塊世代の方々が後期高齢者になる時期には、日本全国で認知症の人は500万人を超えるとか言われている。
 安倍総理は、介護離職者をゼロにしたいと所信表明したが、実現すれば素晴らしいことだ。だが、現実は厳しさが増すばかりのような気がしてならない。
 
 施設に預ければ安心できるのではなく、家族が接する機会をできるだけ持ちながら希望の無いお年寄りの気持ちに寄り添う対応が大切だと思う。