他所の国のこととは言えど・・・

ミニスーパーチューズディといわれるアメリカのフロリダ州イリノイ州での大統領の候補者選び。
 フロリダ州を地元とする共和党のマルコ・ルビオ上院議員がトランプ氏に敗れ、撤退を表明した。
 アメリカでの既成の政治に不満を抱く人々の多くが、トランプ氏支持に回り共和党の穏健派と言われたルビオ氏の得票は期待とは遠くかけ離れた形で伸びずにあえなく撤退。
 
 過激な発言を繰り返したトランプ氏が、候補者選びの舞台で着々と実績を積み上げている。
 アメリカのエシュタブリッシュメントといわれる階層のトランプ阻止の動きにも限界があることを見せつけられた。
 
 外国の出来事とは言え、アメリカは我が国にとって大事な同盟国である。
国土防衛や経済、民主主義国家の指導的役割を依存してきた関係から、よその国の出来事と済まされぬ。
 この国のリーダーの日本への思いは、我が国の経済政策や防衛に大きく影響してくる。それは日本国民一人一人の日々の生活にも大きな影響を及ぼすのだと言ってよい。
 
 私個人としては、我が国への理解の深く見識の高い人物がリーダーになってくれればと、ルビオ候補に期待していた。
しかし、アメリカの民衆は、強いリーダーを期待して、この人が大統領になれば失業問題やヨーロッパ諸国における難民問題などが自分たちの生活を脅かすことを少しは解決してくれるのではないかと、トランプ支持へ回ったのであろうか。
 民主党ではクリントン候補が支持票を積み重ねているようだが、いずれにしても国内政治に重点を置き内向きになってもらっては、世界中に広がる”今そこにある危機”に対応できない。
 
 この世界をリードするアメリカの大統領としては政治経験の豊富さ、世界の情勢を的確に読むことのできる人物がふさわしい。
 中国の海洋覇権主義に歯止めをかけ、中東で広がるISによるテロ、EC諸国に押し寄せる難民問題、アフリカで繰り返される暴力に頼った政権争い、何をしでかすか解らない北朝鮮の指導者、などなどこのような情勢に対してアメリカは無関心でいるわけにはいかない。
 
 大統領が決まるのはかなり先のことではあるが、アメリカの民衆の気持ちが今のままだと世界は深刻な状況を迎えそうな気がしてならない。