中国の野望、今のうちに何とかするべきだ

 中国が南シナ海を埋め立て、軍用の航空機が離発着できる巨大な滑走路を持つ軍事施設をつくった。
 アメリカを始めいろんな国々が、この南シナ海の埋め立て工事に注目しているうちに、中国は東シナ海パラセル諸島の埋め立ても行い、突如、地対空のミサイルが何十基も設置されている様子をあらわにさせた。
 
 これは、アメリカの”航行の自由作戦”への対抗処置で、中国がパラセル諸島に設営したものだと言われている。
 航行の自由作戦とやらでしか対応できないオバマ政権へ、業を煮やした共和党の重鎮マケイン上院議員が、オバマ政権へ噛みついたが状況はすべて中国の思いのままに推移しているように見える。
 
 中国は、元々以前からあった施設だ。自衛のための施設で、自国の領土に作ってなにが悪い。という態度である。
 この海域は、台湾やベトナムも領有権を主張して、どこの領土、どこの海域とは決まっていないところであることは、南シナ海スプラトリー諸島と同じ構図である。
 
 しかし、中国は全ての海域、全ての島々は中国のものと、強引に既成事実を創り上げてきた。
 ベトナムや台湾、フリピンなどこの海域の国々は、軍事力や経済力の規模は中国とは比べ物にならないほど微弱だ。
 
 中国の言い分に相手を納得させる内容を感じれば、全てを否定することも出来ないのだが、中国の言い分は極めて勝手の良い理屈を並べるばかりである。
 自分の国は自衛のためこのような施設が必要だという言葉の陰で、韓国の自衛のためのサードの配備には猛烈に反対する。
 軍事の為の施設ではないと言いながら、スプラトリー諸島の埋め立てでは3000メートル級の滑走路を造る。パラセル諸島にはミサイル基地を配備、東シナ海には16基ものヘリコプターの離発着、レーダー基地化できるプラットホームを設営する。
 
しかも、歴史的にも中国固有の領土だというウソを平気で世界に発信する。
このような中国の覇権主義を、どの国も真剣に止めようとはしない。
もちろん、強硬に反対の旗印を挙げ、行動に出るときは戦争も覚悟しなければならないとの想いが、ブレーキになっているのであろう。
 
だが、早急に中国の野心を揺さぶるような対応は、為政者の気持ち次第でかなりのことができるのではないのか。
 例えば、この海域が生活の糧になっている国々、将来自国の権益が脅かされないとも限らない国々、それらの国がもう少し真剣に中国包囲網を作り中国の野望にブレーキをかける。
 そのためには、アメリカや日本、オーストラリアなどが主導してフィリピン、ベトナムインドネシア、台湾などと連合して今まで以上の圧力をかけるなど方法はいくらでもあると思うのだが。
 
 今はアジアだけの問題だが、この中国の野望はいずれはヨーロッパまで波及するのではないのか。イギリスなどは目先の経済問題で中国と安易に妥協する姿勢を見せているが、いつかは中国に裏切られるのではと思う。
 
 また、中国の脅威、暴走は一部の政治家や省庁任せでは限界がある。
国民世論をもっと高めて、我が国は思いどおりにはならないぞと言う気概を見せることも必要だ。