報道されない沖縄の真実①

 昨夜の報道ステーションでは、元外交官で総理大臣の補佐官でもあった岡本行夫氏をゲストに招き、古館がいつものしたり顔で沖縄の普天間飛行場の返還に伴う辺野古基地の移設に関して取り上げていた。
 眠かったので少しだけ二人のやり取りを聞いていたが、催眠効果の方が強くそのまま眠りの世界に引き込まれていった。
 
 さて、産経ニュースを開いてあれこれ見ていたら、沖縄八重山日報の仲新城誠編集長のインタビュー記事が目に留まった。
 仲新城氏の冷静に現状を分析した説得力ある意見に大変感じ入り、もしや私のように知らない人がおれば、ぜひ、この人の想いを知って欲しいものと、引用させていただくことにした。
 少し長いので2回に分けて紹介させていただきます。
 
 
 記事のタイトルは
「沖縄2紙は反権威のようで実は『権威』そのもの」「中国の国営放送そっくり」
というものだ。
 
 それでは本文へと進むことにします。
 
 石垣市を拠点とする日刊紙 八重山日報の編集長を務めています。部数は6千部と、琉球新報沖縄タイムス沖縄県の2大紙とは比べるべくもありませんが、2紙では報じられない八重山の実情の報道に努めています。
 
 
 沖縄では、この2大紙のシェアが圧倒的です。本土であれば産経、読売、朝日、毎日とさまざまな新聞があり、読者にとっては、自分の考えを論理的に裏付け、活字で表現してくれる多様な選択肢がある。しかし、沖縄には2紙が唱える「反米軍基地」
「反自衛隊」という一つの論調しか存在しません。
 
 選択肢が存在しないため、県民はその論調が正しいと信じ込まされている。2大紙は翁長雄志知事とタッグを組み、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する運動の事実上の「核」になっています。
 反権威のようで、実は「権威」そのものなのです。
本土でも、2大紙が発信する「県民は基地の無い島を望んでいるのに、日米両政府に弾圧されている」という「虚構の沖縄」の姿が流布されているように見えます。
 
 
 先日、東京で武蔵野市議会を取材してきました。市議会が9月に辺野古移設に反対する意見書を可決したことに対し、沖縄県民たちから、意見書の取り下げを求める請願が提出され、その審査があったのです。
 しかし、請願の採択に反対する市議の意見を聴いていると、「やはり、通り一遍の沖縄への理解しかないのか」と感じずにはいられませんでした。
「基地の島で不条理な圧力に苦しんでいる沖縄」という、一種の被害者史観です。
 
 中国の脅威にさらされる尖閣諸島沖縄県石垣市)についても、ほとんど質問がなかったのは残念でした。
 尖閣を抱える石垣、八重山の住民には「自分たちが国防の最前線に立っている」という危機感があります。
 
 中国公船の領海侵入が常態化し、漁業者が追跡されたり、威嚇されたりすることも日常茶飯事。八重山日報では毎日、中国公船の動向を一面に掲載しています。
 
 しかし、2大紙はそうした『国境の島の危機感をほとんど報じてくれません。
それどころか、漁船が中国公船を挑発していると言わんばかりの記事や、中国が唱える「尖閣の棚上げ論」に同調するような社説が掲載されている。
 中国の国営放送にそっくりです。    ②へ続く。