反知性主義って?

6日に安保関連法案に反対すると言って、集会やデモを行ってきたシールズという学生の団体が安保関連法案の廃止を要求する集会を開いた。
 この中にサプライズとして登場したのが、俳優の石田純一
彼はこの集会で”反知性主義”という耳慣れない言葉を連発して、ひと演説述べたらしい。
 安保法案に賛成する人たちは、すぐに中国の脅威を述べてそれに対抗するには集団的安全保障が大事だと言う。
 このような論を唱える人々を”反知性主義”と呼ぶらしいのだ。
 
石田に言わせれば、韓国や台湾での有事の際、周辺事態法があるからそれで充分だと言いたいらしい。「小渕恵三総理も言っていた。周辺事態法で充分対応できる。これは個別的自衛権の行使だ」と。
 
 周辺事態法は安保関連法案の一部として”重要影響事態法”に改められた。
自衛隊の活動範囲には地理的制約がないことを明確にした上で、支援対象も米軍以外にも拡大し支援メニューも増やした。
 
しかし、周辺事態法はあくまでも自衛隊による米軍などへの後方支援を定めた法律であり、「自衛権行使」とは異なるのだ。
 
 また、彼は「世界一平和で安全な国をなぜ変える必要があるのか。このことに本当に危惧している」と訴える。
 
 我が国は彼が言うように、本当に平和で安全な国なのであろうか。
周辺の国、とりわけ核開発を進める北朝鮮。この国のノドンミサイルは数百基が我が国に向けられいつでも有事の際は日本めがけて飛ばす準備ができているとも聞く。
 
 さらに、膨大な国家予算を費やして軍備拡張を進める中国の脅威。
今、目の前で起こっていることでしか、事態を判断できない人にとっては、いつ中国が攻めてくるのか?と疑問を呈する人もたしかにいる。まあ、このような人は論外としても、日本人の多数が平和ボケしていることは間違いない。
 
 南シナ海のこと一つを例に挙げても、中国と言う国はいきなり戦争を仕掛けたり、いきなり他所の領土に攻め入ったりはしない。
 気の遠くなるような時間をかけ、既成事実を積み上げる。人々がそれに気付いた時はもはや手遅れというシチュエーションを作り上げるのが得意な国だ。
 
 南シナ海の埋め立てでは、米軍の動向をしばらく観察していて、フィリピンから米軍が居なくなった直後に一部の占拠を始めた。
 その後、オバマ大統領になり「アメリカはもう世界の警察ではない」と宣言すると、中国は本格的に南沙諸島の略奪を開始した。
岩礁の破壊と埋め立てを同時進行させ、少しずつ南シナ海の様子が変化していくがオバマはなにも行動を起こさないまま時は過ぎて行く。
 いよいよ、でかい規模の人工島が姿を現しそこに3000メートルを超える航空機の滑走路などが建設され始めてようやくオバマは事の重大さに気が付く。
 
 中国のやり方はいつもこのような、膨大な時間をかけ初めは目立たぬように静かに事を運んで行く。素人が気がついたときは大概は手遅れ状態だ。
 
 これが、我が国の領土や平和への脅威とつながれば、中国などへの備えは十分に行っていかなければ、ときの政府の大きな失政になることは間違いない。
多くの国民は、手遅れ状態になってようやく騒ぎ始めるだろう。
そして、政府に「今まで何をしていたのだ」と責任を政府関係だけになすりつける。
 
 このような事態を招く元凶が、石田純一のような訳の解らない人物たちの扇動行為なのだ。
 何が反知性主義だ。この言葉はのしをつけてそっくり、この訳の解らない連中にお返ししたいものだ。