偏向マスコミに毒される日本人

日曜日の夕方6時のニュースの後「これで解った世界の今」とかいう番組がある。
昨日は、南シナ海問題を取り上げていた。
 
 
 中国が、南シナ海岩礁を埋め立て、軍事基地を次々に建設している。それに対抗して、アメリカが艦船をその岩礁地帯から12カイリ以内を自由に航行すると宣言したことで、これから起こる大国同士の軋轢、或いはせめぎ合いがどうなるのかを話題にしていた。
 
 このことに関して、南シナ海の領有権の主張、その争いなどの近年の歴史にふれながらの解りやすい解説が付いていた。
レギュラー出演の名字は忘れたが、なんとかチリ子さんも何度もうなずきながら解説を聞いていた。
 
 地理的にはどう考えても、フイリピンやヴェトナムのすぐ近くの海域を、ここは昔から中国の領土であったと強引な主張を繰り返し、実効支配の範囲を広げている中国。
 
 当然中国の主張は、国際法などを無視したもので、この海域の主権を主張するフリピンやヴェトナム、マレーシアなどの国々は中国の言い分は認めていない。
しかし、悲しいことに国力、とくに軍事力に大きな力の差があり過ぎて、口で抗議するだけで何ら中国の覇権主義を抑えこむ行動には出られないままだ。
 
 アメリカのアジアへの影響力も、このまま中国の意のままにしておけば、ドンドン衰退するばかりで、何も手を打たないままではこの海域は中国の思いのまま姿に変貌する。
 いつも国際情勢を見誤ってきたオバマ大統領も、彼のブレーンや共和党の強い発言力を持つ重鎮から尻を叩かれたのか、「アメリカは中国の言う領海は国際法上、明らかに認められない」と、埋め立てた岩礁地帯の12カイリ以内に軍艦を航行させると宣言した。
 当然、中国はこの宣言に猛烈に反発。
このままでは、南シナ海の緊張はどんどん高まるであろう。
 
 そこで、我が国の態度であるが、どうも、政府も今のところは消極的だ。
我が国のエネルギーや食料品などは、外国からの輸入に大きく頼っている。
マラッカ海峡からこの南シナ海の海域を航行して、原油や食料品は運ばれる。
 
 中国の軍事基地がこの海域のあちこちに作られて行けば、今は世界をごまかすために「この海域の埋め立ては、軍事基地が目的ではなく国際平和に貢献できる設備を建設しているのだ」という主張は、必ず覆されるだろう。
 しかも、3000メートルを超える、戦闘機などが軽々と離発着できる滑走路を持つ海洋施設が、軍事基地ではないと誰が信じるのか。
 
 岩礁埋め立てが中国の思うように成功した数年先には、「この海域は我々が支配する海だから、通行税を治めよ」とか、敵対する国、中国に反発する国は通ることはまかりならないなどの、無茶苦茶な要求を強引に唱えてくるだろう。
 
 シーレーンの要と言えるこの海域は、決して中国の思うようなエリアにしてはならない。
 我が国は、アメリカやオーストラリア、インドネシア、フイリピン、ヴェトナムなど関係諸国と対策会議を開き、中国に強力な撤回の為の行動を起こすべきである。
 
 最後に私が一番言いたいことは、このようなことが現実に起きて、既成事実がどんどん積み上げられて行っているのに、マスコミは何故騒がないのだ。ということである。
 
 マスコミは、我が国の政府が何か新しいことを始めようとすると、すぐさま重箱の隅をほじくり始める。アメリカが軍艦を南シナ海に航行させたり、原子力空母が我が国の港へ入ると、それに抗議する人々の姿を映して、今、日本でこんなことが起こっていると、大々的に報道する。
 
 しかし、中国のこの覇権主義むき出しの海洋侵犯に対しては、だんまりを決め込むだけだ。
 ことは、日本国の損失や制海権に関する問題で、私の予想通りの状況が起これば国民の日々の生活に、すぐに大きな影響を及ぼす。
 
 マスコミに、真の使命感があるのであれば、どんなことが極東で起こっているのか、そのためにどのような影響が我々国民に降りかかってくるのかなどを、知らしめるのはマスコミの最も大きな責務ではないのか。
 
 こと、中国関係のニュースになると、”爆買い”や”偽物”などの当たり障りの無いものでお茶を濁す
 共産党政府の国際法を無視し、弱小国の民の生活を危うくするような不法行為には、断固として立ち向かう報道姿勢がどうしてとれないのか。
 
 偏向を自分たちの使命と信じて、今までと変わらぬ報道姿勢を続けるのであれば、そんなマスコミは必要なしだ。