日本の青少年よ、…。

産経新聞の阿比留瑠比政治部編集委員によって書かれた産経ニュースの記事が目に留まった。
 阿比留氏は「ネールに孫文、パール判事、語られなかった歴史認識」と題した記事の冒頭で、スリランカのウイクラマシンハ首相が6日、安倍総理と会談したとき、
「日本は20世紀初頭のアジアにおける国際的な動き、ナショナリズムの動きについて多くの国へ希望を与えた」と語ったそうである。
 
 これは、安倍総理の70年談話の中で、語られた日露戦争時の話題に呼応したものである。
 インド建国の父ネールが16歳のとき、日露戦争での日本の大国ロシアを相手に一歩も引かぬ戦を戦い抜いて勝利したとき、毎日このニュースが届くのを待ち望んで、気持ちを奮い立たせたとの自伝がその当時のアジアの人々の心を代表していると思われる。
 西欧列強に植民地化されたアジアの国々は、圧倒的な戦力を保持する欧州の国々へ抵抗すラ出来ずに、不満を貯めたまま従う以外に方法が無かった。
 
 この時代にアジアの新興国であり、小国の日本が大国のロシアに戦いを挑んで勝利したことは、多くのアジアの国々へどんな勇気と希望を与えたのか。
 これが、後のインドの首相ネールの自伝に書き記されているのだ。
 
 中国辛亥革命の父、孫文もこの戦で多くのアジアの人々は、驚き希望を持ったと称賛している。この日本の勝利に対してアジアやアフリカ諸国の国々は我々も植民地支配を終わらせることができるかもしれないと、希望と勇気に心が満ちあふれたのだ。
 
 日ロ戦争は単なる2国間の戦に収まらず、欧米の植民地支配に苦しむアジアの国々に勇気と希望を与えたことは、間違いない事実なのである。
 
 このような明白な歴史の真実であっても「これまで政府関係文書には書かれなかった」(政府高官)というのが日本の言語空間の実情である。
 
 東京軍事裁判のとき、インドのパール判事は、ただ一人全員無罪を主張した。
これについても、日本タイムスという新聞を除き、どの新聞も触れていない。
 
 A級戦犯で入獄中の岸信介元首相は「之は各新聞社の卑屈か非国民なる意図に出づるものである。之等の腰ぬけ共は宜しくパール判事の前にき死すべきである(獄中日記)と憤慨している。
 
 ことが中国や韓国を貶めることになると、日本のメディアは、一斉に批判記事を書いたりコメンテーターが非難を寄せる。
 
 しかし、こうした歴史の真実が、日本を称賛する内容だと、途端に無視するような扱いになる。
 これでは、青少年が本当の日本の歴史を学び、日本の誇らしいところ、日本が関わり素晴らしい成果をあげたことについては、メディアから学び取ることは不可能である。
 
 教科書では、このようなことは詳しくは学べない。
先生の歴史の取り扱いも、どこまでを真実として学べるのか、とても疑問に思えてくる。
 我が国の青少年が、良いことは良い、悪いことは悪いと本当のことを学べる環境作りがこれからの大きな課題になるのだろう。