NHKの「九州・沖縄ミライ語りっ!」

先週金曜日、PM7時のニュースのあとの番組は、「九州・沖縄ミライ語りっ!」という若者の意識を討論会で発言してもらう内容だった。
 
 出演者に興味があったので、私はチャンネルをそのままにして見てしまった。
出演者の顔触れは、
 自称サラリーマン平和大使の安永年軌、15歳でIT企業を立ち上げた吉田拓見、映画配給会社の取締役アーヤ藍、ビデオブロガーランダムヨーコ、シールズ琉球の玉城愛、学生たちの安保反対運動のリーダー熊川果穂、東京在住大手新聞社の情報サイトで特別編集長(大学3年生)の山本みずきの7名。
 これにNHKのアナウンサーの柳本なんたら、と長崎大で核の問題に取り組んでいる女性準教授(?)が加わった討論会、後ろには一般の若者の参加者が討論を聴いていてマイクをときどき差し出されると、自分の意見を表明すると言った構成になっていたように思う。
 
 私は前段階の安保法制の討論しか見なかったのだが、反対の人の意見は
日本はアメリカと偏った関係になり過ぎている。戦争が起これば無抵抗な子どもたちへ自衛隊員が危害を加えることになる。武力では抑止力にならない。
 
賛成派の意見は、日本、一国では攻められたとき不利だ。武力が無いと他所の国との対話がまともにできない。今の国際情勢から防衛の空白地帯ができたら危険だ。だから同盟国とそれを守る体制が必要だ。
 
どちらでもない人の意見は、他国に攻められたら一国で防衛は無理。しかし、戦争は回避できるようにしなければならい。
 
 言葉の一つ一つを正確に記憶するのは難しいので、いくらかずれがあるかもしれないが、おおむねこんな意見が出ていたように思う。
 
 私の感想としては、相変わらず反対派の意見は情緒的で、賛成派は現実というものを見つめて話していたと思った。贔屓目に見るのではなく、マスコミなどの扇動によって街の意見、ムードはどうしても感情に流されがちで、安保法制は憲法違反で悪いものだ、これで戦争する国へと日本が舵を切るのではないかと、とらえる人が多い。
 そんな中で賛成意見を述べるのは勇気も要るだろうし、近隣諸国との国際関係や日本が置かれた立場、憲法との関係はどうなるのか,戦争は本当におこらないのかなどしっかりとした理論武装の上で臨まないと、相手に攻められ応戦に苦労する。
 
 この法案についての討論でいつも気になるのは、アメリカとの同盟を深めれば日本が戦争に巻き込まれると言う左翼の論法だ。
 
 大衆はこの意見にすぐさま迎合して、戦争は狂気だ。全体に行ってはならない。などの想いを口にする人が多い。
 
 戦争はたしかに一部の人間を狂わせる。そのことを否定するつもりはない。しかし、自分や子ども、孫が攻められて戦争の犠牲になろうとしている時「戦争は狂気だ。絶対に戦争してはいけない」と思いながら戦争することを拒否できるのであろうか。
 刑法でも「正当防衛」は認められている。
独立国である以上は、いつどこから攻められても祖国の防衛を怠りなく準備しておくことは、国家、国民の責務ではないのか。
 
 もう一つの疑問。
良くこんな声を聞く「あなた方は中国の脅威をすぐに口に出すが、本当に中国は攻めてくると思いますか?」
 このような意見を吐く連中のその時の表情が、みな同じなのが面白い。
 
 この意見に対して、私は現在の国際情勢の中で、いきなり他国を攻める(この場合は侵略)国があるのか。普通はその前にその両国間の関係が可笑しくなり、険悪に変わり外交交渉が決裂するなどの手順を踏んで最後は武力による戦争になる。
 
 しかし、険悪になってから、さあ、大変だ。戦争の準備にかかろう。などと考える人はいないであろう。通常の何もない時から備えることが肝心だし、国際間の動きを観察していたら険悪度が増していくのは素人にも解ることではないのか。
 
 そして、このテレビ番組に出演していた若者にもぜひ聞きたいのだが、中国は、日中中間線の中国側に天然ガスの掘削施設をどんどん増やしている。このプラットホームの問題。東シナ海南シナ海岩礁地帯を埋め立てそこに3000メートルを上回る滑走路を作った問題。尖閣諸島の排他的水域に海底調査用のパイプを下ろして海底調査をしている問題。
 これらの行動を中国はなぜ行っているのか。
このことに関して、あなた方はどのような意見をお持ちなのか。
 
 若者たちは、どう答えてくれるのか。興味が尽きないとところであるが、NHKもそんな番組をこの続編として、ぜひ、実現して欲しいと思う。