民主党の混乱ぶり

ジャーナリストの櫻井よしこさんが、民主党岡田代表に対して「彼は以前は集団的自衛権は必要だ、とのニュアンスの発言をしていた。今度の国会で必要なしと叫んで共産党などと法案を廃案に持ち込もうとしたことは、180度の方針転換だ」と述べたことに対し、民主党の役員室長近藤洋介議員は猛烈に反対、抗議している。
 
 櫻井さんが「私の述べたことは間違いない」と反論すれば、さらにしつこく近藤洋介議員などが抗議を重ねる。
 それも櫻井さんに軽くかわされ、岡田民主の主張の甘さが露呈するばかり。
 
 今の民主党の混乱ぶりを見ていると、旧社会党に先祖がえりをしたのではないかと思わせるほどのお粗末さである。
 元々、今度の国会での民主党の出方は、どちらかというと感情論に片寄り、共産党と歩調を合わせて、やれ、戦争法案だ。日本が戦争する国になるなど、何も知らない国民を扇動することに懸命さが目立った。
 
 民主党には、国防に関して建設的な意見を持つ、長島昭久元防衛副大臣や前原政治元外相などが居る。さらに玄葉光一郎元外相や野田佳彦元総理も防衛については、現実的な国際情勢を把握しながら感情論に流されない論客だといえる。
 
 今度の安保関連法案を審議する国会では、この人たちの意見が全く聞こえてこなかった。
 みなさんそれぞれ集団的自衛権の行使については前向きな意見を持っているのだが、民主の感情的なうねりに呑み込まれたのか、党内から冷静で建設的な声が聞こえてこなかったのは残念だ。
 
 言葉尻を抑えて反対を叫ぶ姿は、何でも反対の旧社会党が自民を相手に行った反対の為の反対とオーバーラップしてしまった。
 
 岡田代表などの党執行部は、我が国の防衛についてどのような見解を持っているのか。日本国民の生命、財産、平和な生活はどうあれば守れるのか。こう言ったことへの姿勢こそ国民への責任を全うするための公党の在り方ではないのか。
 
 それをまだしつこく櫻井さんに指摘されたことへこだわり抗議を続ける。
このお粗末さに対して、国民は少しずつ気がついて行くのではないか。
来年は、参議院の改選の年だ。
 もう少し公党としての責任ある意見を発表して、国民の気持ちを民主党に振り向かせる努力をしないと、旧社会党のように溶解して最後には形まで亡くなるのではないか。
 
 我が国には、自民党にとって代われる健全野党ができて実力をつけて行くことが望ましい。しかし、今の野党第一党である民主党にはそれが望めないのだ。
ここは、執行部を入れ替えるか、民主党の再編を行い共産党か公安が目を光らす革マル派もどきの連中を整理するかしないと、この党の将来は無いのではないかと考えたりもする。