安倍総理、ロシアには騙されないように

日本時間の29日に、国連本部で安倍総理はロシアの大統領プーチン氏と、会談をおこなったらしい。
 
 日本としては当然、北方領土の返還に関しての意見を前面に押し出したものと思われる。
 それに対してロシアは、極東方面の開発や日ロ間の経済交流の活性化を促してくる。
 
 
 このことは、会談前から予測できたことで、双方の国の思惑がすれ違に終わる。
両国が時間をかけて、真正面からそれぞれの抱えている問題や関心事に触れて行くには、どちらかの首脳が相手国を訪問しての会談を開く必要がある。
 
 この秋には、その流れを実現するプーチン大統領の訪日が予定されている。
この会談が実現しても、果たして我が国の要求がどこまで実現に近づくのか、判断は難しい。
 
 一つ言えることは、領土の交渉では国内で力強く国民の厚い支持を得ているリーダーの決断が無くては、返還の実現は難しいということだ。
その点では、プーチン大統領の国内基盤は強く、彼の決断に対してロシア国内での強い反論は抑え込むことができよう。
 
 この秋の首脳会談が実現すれば、久しぶりの大きなチャンスが訪れるのかもしれない。
 しかし、プーチンというのは、これまでのシリアやイランの問題。ウクライナクリミア半島の併合などを見ていても、一筋縄ではいかない人物だ。
 
 今からこんなことを言うのは早過ぎるのだが、安倍総理は交渉の過程で安易な妥協はして欲しくない。
 我が国が大きな譲歩を迫られて、それを飲んだ上での返還交渉なら犠牲も大きくなる。
 プーチン氏の胸の内は、返還に応じないまま日本からの経済援助、経済の活性化を望んでいると思われる。
 
 これまでの北方領土を盗み取ったいきさつ。満州での武装解除した日本人たちをシベリアに強制的に送り、一般の婦女子を蹂躙した事実から、ロシアとの交渉には相当なしたたかさが必要となるだろう。
 
 まだ、プーチンが訪日するかどうか、定かでない時からこのようなことに触れるのは早過ぎるのだが、私としては、ロシアとの交渉はそれほど気をつけて、腹をくくり臨むべきだといいたい。