史上最低の国連事務総長

 国連のバン・ギブン事務総長は、中国の抗日戦勝利70周年記念行事並びに軍事パレードに出席を決めたらしい。
 
 この人は、国連の設立された意味などを、きちんと認識しているのだろうか。
国連の役割としては、国際間の紛争を無くす。世界の平和維持へ貢献して行く。
特定の国への軍拡や侵略などへの、バランスを欠いた対応は当然、ご法度である。
 
 今の世界で軍拡に奔走し、覇権主義を露わにした中国は、南シナ海国際法を無視して浅瀬をかってに埋め立て、広大な海軍基地を建設いしている。
 すでに戦闘機が離発着できる3000メートル級の滑走路も建設して、フイリピン、ベトナム、マレーシアなどの南シナ海東シナ海に接する国々の反発を受けている。
 
 これらの国々の漁民は、この豊かな海の漁業資源を生活の糧として平和に暮らしてきた。
 それが、突如中国が海軍基地を建設すれば、おのずと自由にこの海域で漁業を行うことは不可能になる。
 中国は、そんな東南アジアに国々の抗議には耳を貸さないばかりか、ベトナムの漁船を沈没させたり、この海域は昔から我々の海だと言うだけで、根拠も示さない。
 
 我が国にしても、中東への石油依存度は高くて、原油液化天然ガスなどの輸送はこの海域が生命線だと言ってよい。
 シーレーン確保の問題からも、我が国にも大変大きな問題をはらんでいる。
 
 そんな中国の拡張主義に対し、国連は中立的立場から中国の行為に歯止めをかけるべきなのだが、事務総長自らがのこのこと式典へ出席するだけでなく、軍事パレードにも参加するという。
 
 こんなバランス感覚を欠いた人物を、いつまで事務総長の地位につけておくのか。
これまでのシリアの内戦では何もできなくて、今日ではシリア難民がドイツなど北を目指して国外へ脱出中だ。その中で、多くの犠牲者が出たというニュースが世界を廻った。
 事務総長はこの出来事に対して、何も考えないのか。それより中国の軍事パレードを重視するのだろうか。
 前のロシアによるクリミヤ半島の侵略にも、国連としては何も力を発揮できなかった。この人にはそれを恥じ入るという意識は無いのだろう。
 
 この国連史上最低の事務総長の任期切れを、ただ、待つしかどうにもならないのだろうか。