今朝の産経抄より

今朝の産経抄では「竹光では守れない」とのタイトルで、コラムが掲載されていた。
 
 はじめに藤沢周平氏の短編作品「たそがれ清兵衛」の話を例に挙げ、上意打ちの命を受けた清兵衛が、目指す相手に会い心を開き、打ち解けて行く。そのうち心を許してしまった清兵衛は、
「妻の看病の為、刀は売り払い、今、手元にあるこの刀は、竹光なのだ」と打ち明ける。
 
 それを聞いた相手は豹変し、いきなり自分の刀を振りかざし清兵衛めがけて振り下ろす。
 
 これは、山田洋二監督が映画化するに当たり、話題となった名シーンらしい。
 
 この話しに続いて、昨日の安保関連法案の採決結果を、産経新聞は断固支持すると、明言している。
 
 最後は憲法9条は、竹光と同じでこれでは国は守れないのだと、至極当然と言えるまとめで結んでいる。
 
 それに比べ、他のメディアの反応はどうであろう。
これが、我が国の新聞なのか。これが我が国のテレビ局の姿勢なのかと、疑いを持つほどの偏向的な態度がありありだ。
 
 それは、単なる報道に治まらず、有名人の手を借りて「これで日本は戦争する国になった」「戦争できる国になった」と宣伝しまくる。
 
 国会の外で、この法案へ反対している人々へ、インタビューしながら、どれだけ多くの人々が反対しているのかをアピールする。
 アリバイ造りに、賛成派の人へのインタビューもしていたが、反対派と賛成派の人への声のかけ方は5対1くらい。
 明らかに偏向している。
 
 それで、私が気になったのは、産経抄で触れていた中国の東シナ海でのガス田開発のことだ。
 中国は、軍事転用が可能な海洋プラットホームの建設を促進しているという。
南シナ海での岩礁の埋め立て、ベトナム沖での海底探査、そして、東シナ海日中中間線あたりでの、軍事転用可能な施設の建設。
 
 膨大な軍事費を投入して、次々に我が国の脅威となる施設を建設中の中国に対して、日本のメディアが産経、読売を除いてだんまりを決め込むのはなぜなのか。
 
 日本が自国の安全の為、安全保障の見直しを進めようとしたら、反対、反対の大合唱。一般の人々まで扇動し自分たちの主張の方向へと誘導する。
しかし、中国のこうした我が国の安全を脅かす行為については、何ら取り上げもせずニュースにもしない。
 
 日本の多くの人々は、マスメディアになめられているのか。
昨日の街頭インタビューで、横須賀から出てきましたというご夫婦は、インタビューを受けて
「孫の世代が平和で安全な世の中になるには、じっとしておられなくなったので、反対するため出かけてきました」
と、答えていた。
 
 世の中の多くの人々は、こうした勘違いをしている。これも共産、民主の扇動。マスコミのでたらめな報道の結果であろう。
 
 本当に、孫の世代が平和で安全な世の中であるためには、相手が手出しできない抑止力を強化することが一番なのだ。
 その証拠に、昨日の安保関連法案が可決されたことへ、早速、中国の報道機関が反対の表明をしていた。この法案が可決されることを、最も嫌ったのがほかならぬ中国であるからだ。
 
 日本人は、ここのところを良く考えて欲しいものである。