雨の中のブルーベリー

 飯田高原に住む知人が何度も電話をかけて来て、「ブルーベリーが雨の為、どんどん割れ始めている。早く収穫にお出でなさい」と。
 
 台風9号は中国の方にそれたが、影響範囲が広くてその余波が私たちの街を包む。
 
 トマトやナスの木が折れたり、ビニールの簡易ハウスが風で飛ばされる。
 
雨は、絶え間なく降るので、トマトも完熟する前に傷が入った。
 
 知人があまり熱心に誘うので、一泊の予定で飯田高原へと出かけた。
 
高原の雨はひどくて、郷へ着くとアプローチの道路は川の状態。
郷には16戸の家が建設されているのだが、そのうちの5~6軒とは特に仲が良い。しかし、昨日は台風余波のため、高原で店を出している拓ちゃんとこ以外は誰も来ていない。
 風が強いため、木々がしなり雨音と大合唱を繰り返している。
 
夕方、拓チャン夫妻が店を閉めて郷へ帰ってきた。
早速、我が家で会食が始まる。
 
 郷の仲間は、仲良しの間では全てニックネームで呼び合い、夜の食事はほとんど誰かに家に集まることが多い。
 それぞれ、自分のところで作ったものを持ちより、宴は深夜まで続く。
 
 土曜の夜も、日付が変わるころまで、飲んで食べて話に花を咲かせた。
 
今朝は、雨が小ぶりになるのを待って知人の家に出かけた。
 
飯田高原は、ブルーベリーの生育へ適しているとかで、どこの農家も庭先の畑に植え付けている。
 直径が1センチ近くもある大きなブルーベリーが、青紫の色に染まりたわわに実っている。
完熟したものは雨の為に、1割近くが表皮が割れて収穫できない。
 
 それでも、家内と状態の良いものを3キロほど収穫した。重さでつぶれたら悪いので、小分けにして車に積み込む。
この家の人は、独り者でブルーベリーは食べない。毎年私たちが頂くか、カラスの餌になるかだ。
 
 私たちは家に帰るなり、洗い終えたブルーベリーをすぐに、ジャムにするため煮こむ。
 砂糖がかなり必要だが、たくさんのジャムを作り子どもに送ったり、ヨーグルトやパンにつけて食べる。
 
 次に出かけてもブルーベリーは無くならない。これだけは一年分のジャムができて余るほどだ。
 来週は、台風11号のコースが良くないので、収穫には出かけられそうにない。
 
空からカラスが様子を見て喜ぶだろう。