テレサテン復活の予感?

フィギアスケートの浅田真央ちゃんは、長い休みを消化して再び銀盤の世界に戻ってくることになった。
 浅田真央に続く、若手の女性スケーターの伸び悩み。その間にロシアなどから期待の若手が伸びてきて、世界のフィギアスケートの構図が変わった。
 
 日本選手はその陰に隠れ、男子はともかく女性陣には、世界のトップを期待する選手が育っていない。
 そこで、どうしても世界のトップを走り続けた浅田選手の復活を切望するファンや関係者が、この浅田選手の復活宣言を待ち望んでいたのではないか。
 
 浅田選手の気持ちの後押しをしたのが、かって日本中の多くのファンを魅了した、台湾出身の歌手テレサテンの「ときの流れに身を任せ」という歌であったらしい。
 
 昨日あたりからTV局は、特集を組んでテレサテンの生い立ちや謎に包まれた死の真相などにふれて、放送を実施している。
 
 今の20代くらいの若い人は、テレサテンなどあまり知ってはいないらしい。
それが、「空港」や「愛人」「ときの流れに身を任せ」などを聴かせると、大いに共感を覚えるらしく
「ああ、この曲聴いたことがある」とか、「良い歌ですねえ」と眼がしらを潤ませる若者が多い。
 
 ここ何年かの日本の歌の世界は、AKBやエグザイルなどリズムを重視した、乗りの良い音楽全盛の”とき”が流れた。
 しかし、この潮流はしっとりとした心に分け入る歌本来の魅力が欠落して、私には最近の音楽シーンが白けたものになっていた。
 
 浅田真央さんは、フィギアの練習を離れて、テレサテンの歌に聞き入りながら、自分にとってこれからをどう生きるかなどを考えたのではなかろうか。
 
 TVから流れるテレサの歌に耳を傾けながら、浅田真央ちゃんの復活も嬉しいが、テレサテンも同時に復活を遂げて、今の若い人たちへ歌が持つ本来の力を届けて欲しいなという気になった。
 
 最後にお断りしておくが、今のAKBなどの音楽を否定する気持ちは私にはない。
音楽は生き物だ。時代の変化に合わせて音楽も変わる。
 その時の人々を魅了するのは、そこにその音楽が大きな意味を持つからだと思う。