ミシェル・オバマの違和感

 オバマ大統領の夫人が、おひとりで来日した。
 
 マスコミは、夫人の生い立ちなどを紹介しながら、いかに素晴らしい人物であるかを褒め称えた。
 
 けして恵まれていなかった幼少時から努力を積み重ねて、今や世界のアメリカを代表するファーストレディまで上り詰めた。
 
 本国のアメリカでも彼女の人気は、夫の大統領をしのぐものがあるのだとか。
 
 そんなマスコミの話題作りとニュースなどを観ていて、私は彼女の立ち居振る舞いに違和感を持った。
 
 それは、皇居を訪問して、天皇皇后両陛下に拝謁した模様を報じたときだ。
 
 その様子を観ていて、何かいつものシーンと違うなと思いつつ、どうしてなのか判らなかった。
 
 それが、ある人のブログを観ていて、私が違和感を感じたのはこれだったのかと、納得がいったのだ。
 
 ミシェル夫人が両陛下に歩いて近寄り、右手をのばして握手を求めるシーンが、これまでの外国の元首夫人の振る舞いとは、異質のものだったことである。
 
 イギリスなどの欧州各国や東南アジア、中東などの元首あるいは、王室の皇太子夫人などが拝謁する場合は、すべて陛下の前で片方の足を折り軽くひざまづく姿勢で、挨拶の言葉をのべる。
 この行為がミシェル夫人のときは行われなかったからだ。
 
 つまり、プロトコル(外交儀礼)の面でのしぐさに違和感を覚えたのである。
 
 相手が自分より年上の元首、在位期間が自分よりも長い元首に対して、自分がへりくだる姿勢で挨拶を済ませるのが、プロトコルの原則である。
 
 このときのオバマ夫人は、両足を伸ばしたままの姿勢で握手を求めた。
 
 力量のある法律家で、社会常識も卓越したものを身につけて居るはずの、大統領夫人の立ち居振る舞いとしては、如何なものであったのか。