S氏の言い分
イスラム過激派の暗躍するシリアでの写真撮影(?)取材(?)
をもくろんでいたS 氏。
外務省に渡航を阻まれ、パスポートの返納を求められそれに従った
ニュースは、先日マスメディアで報道されたとおりである。
この人、私には何を考えているのかよくわからない。
ごく最近、危険なISの支配地域に出かけて捕まり、挙句の果て最悪の
結果になった二人の方のことで、日本国中が、自己責任だ。いや、政府の対応が悪い。安倍首相がエジプトでおこなった演説に原因がある。などなど、
ハチの巣をつついたような状況になった。
シリアやISの支配地域に出かければ、また、同じような悲劇が起るだろう。
そして、政府をはじめ、周辺の国々まで巻き込んで、大変なエネルギーを
つかう。
報道の関係者は
「誰かが出かけて、悲惨な状況を取材して国民に知らせなければならない」
と、お題目のように同じ論法で口を開く。
私に言わせれば、悲惨な状況などはシリアの危険地帯から逃げてきた
数百万と言われるヨルダンの難民からでも、充分な取材はできる。
危険地帯にのこのこ出かけ捕まって、外国も交えて、各方面に多大な迷惑をかける
それだけの意味があるのだろうか。
それに、もう1つ、このS氏はフリーカメラマンというふれこみだが、
これまでの活動歴はどうなっているのだろう。
私がS氏の立場なら、黙ってヨルダンかトルコあたりへの旅券を取得して、
その後は、現地でシリアへ渡る手立てを考える。
はじめから日本でシリアへいくといえば、外務省からとめられることは判っていたはずだ。それにもかかわらずシリアへの渡航を申し出たのは、本当は危険地帯へ命がけで出かける気持など無かったのではないか。
外務省が引き止めにかかったら、一応はぶつぶつ言いながらパスポートを返納し、後でマスコミなどの反応をうかがいながら、これならいけると踏んだ段階で、外務省や政府へのクレームを声高々に叫び始める。
この瞬間からマスコミの寵児として、メディアへの顔だしが盛んになる。
こんな計算が働いていたのではないかという疑問が頭をよぎるのである。