いくつかの疑問

 
 毎日、新聞もTVもイスラム過激派に拘束されたG氏の解放と日本政府の
 
対応、ヨルダン政府の出方など、まことににぎやかだ。
 
 
ヨルダンはれっきとした主権国家だ。その国の意向、国民感情などを
 
考慮した上での意見なのであろうか。
 
ヨルダンに捕まっている死刑囚と、G氏およびヨルダン人のパイロットを
 
1:2で交換を提案してはどうだろうか、とか、
 
 それではイスラム過激派が納得しないから、もう一人の収監中のテロリストを
 
つけて2:2では?など、TVを通じて勝手なコメントを穿く輩もいる。
 
第一の疑問は、この死刑囚が捕虜交換で解放された後、再び、自爆テロ
 
行って、多くのヨルダン国民が犠牲にでもなったら、日本政府や日本国民は
 
どんな気持ちで居られるのだろう。
 
 もう1つの疑問は、これだけ騒いでいるマスコミ、対応に振り回され国会開会中に
 
席を外さなければならない官房長官など、政府は一ジャーナリストの救出に多大な犠牲を払っているように思える。
 
 それなのに、北朝鮮に拉致されている人々の救出については、マスコミも政府も触れようともしない。
 
 同じ日本人が、国外で不自由な生活を強いられ、帰国のめども立っていないのに、この拉致被害者の救出にこそ、国も国民も懸命にならねばならないのではないか。
 
 ジャーナリストは、外務省の自粛要請を無視して「私の行動は自己責任です」と公言して出かけ、拘束された。
一方、拉致被害者の方々には、拉致されるにあたって何ら落ち度は無かったのだ。
 
 
この日本での大騒ぎの状況を、拉致被害者のご家族はどんな想いで見守っているのだろう。
 
 
行けば危険な目にあうと判っていて、のこのこと出かけ拘束された一人の日本人ジャーナリスト。
 何の落ち度もないのに、国の犯罪によって拉致された大勢の人々。
 
人命などの観点からどちらが重要かなどを比較することはできないが、政府にしてもマスコミや一部の○○など、その対応の仕方が偏り過ぎてはいないか。
 
 他にもいろいろ疑問だらけの?マークが頭の中を駆け巡る。