定期健康診断

 私たち夫婦は4カ月に一度の割合で、かかりつけの医院で健康診断を受けている。
 
 今日、今年最後の診断に出かけた。
 
 先日行ってもらった採血の結果が中心話題であったが、毎回コレステロールの数値を医者から指摘される。
 
 私の場合は善玉が低くて、悪玉が多いのだ。
 
 私自身に自覚症状がないだけに、いつも医者の話がピンと響いてこない。
 
 人間何十年か生きていたら、少しはどの部分かに問題が生じるはず。
 
 家内は医者のアドバイスを素直に受け止めて、次の日から二日ぐらいは医者の指示通りの暮らし方を実行している。三日目あたりから所作が怪しくなり、いつもの日常に戻る。
 
 私には、医者はしつこく「タバコを止めなさい。これこれの実害があるから長生きはできないよ」と、脅してくる(?)
 
 最近は血糖値がやや高くて、このことについてもじわじわと脅迫じみた(?)アドバイスをなさってくださる。
 
 悪友に言わせると
「お前が医者のところにのこのこと出かけるから、そうやってストレスのもとを抱え込んでしまうのだ。健康診断など受けないのが長生きの条件だぞ」
 
 なんて、ありがたい忠告をしてくれる。
 
 それでも、この健康診断で一つ楽しみにできることがある。
 
 それは、私の結果はともかく、家内の結果が良かった時の帰宅時だ。
 
「今日は、健康に感謝して、美味しいものでも食べて帰りましょう」
 
 と、日ごろは高くて寄り着かないレストランに誘ってくれることだ。
 
 私の結果が悪くて「高脂質の料理はやめときなさい」なんて医者から注意を受けた日も、「そんなの関係ない」なんて顔で上機嫌でお目当てのレストランへ・・・。
 
 私は、ほんの数十分前に受けた医師のアドバイスなど忘れてしまい、家内に付き合うのであります。