牧ノ戸峠の雪

 私がお気に入りの大分県飯田高原(はんだこうげん)、ここは九州の屋根と称される九重連山の登山口が集まるところだ。
 
 高原の標高は1000メートルほどであるが、高地だけに寒さが厳しい。
 
 数年前には、冬場だからと4輪駆動の車にスタッドレスタイヤを装備して出かけたが、急激な気温低下の異常気象に遭遇して下りの坂道で、道をふさいでとまっているバキュームカーに追突して車を大破させたこともある。
 
 それ以来、相当好天気が保障されない限り、冬場には出かけないことにしている。
 
 ところが、今年の長期予報では西日本の暖冬が伝えられているのに、飯田からは雪の便りがちらりほらりと伝わってくる。
 
 雪の中の紅葉がすばらしいというので、空模様を見ながら出かけてみた。
 
 紅葉の名所の一つが、標高1330メートルの「牧ノ戸峠」だ。
 
 道の両脇に迫るなだらかな山の稜線は、もみじや錦木などが赤く染まり素晴らしい景色を演出してくれていた。
 
 道脇は、昨夜降ったのであろう、新雪が解けないまま積っている。
 
 峠の駐車場では、一面真っ白で誰が作ったのか、高さ1メートルほどの雪だるまが迎えてくれた。
 
 九重山への登り口を見上げると、登山道を覆うように密集した木々についた水分が凍り、霧氷となって白く輝いている。
 
 しばらく見ていたが、身体が心底から冷えはじめ、下山を余儀なくされた。
 
 今年の九重詣では、あと一回程度かなあ・・・。