宇佐のマチュピチュ

 私がよく車を走らせる国道387号線沿いに、地元の商工会の青年たちが名付けた「宇佐のマチュピチュ」というところがある。
 関東からの客人などがおとずれたとき、必ず案内するところだ。
 客人の皆さんは、口々に
「へえ、日本にいてこんな風景を見られるとは・・・」と、外交辞令?も含めて感心してくれる。
 
 ところが、残念なことにこの隠れた名所(?)は、あまりにも世の人々に知られていない。
 その結果、訪れる人は、年間数百人ほどだ。
 
 そんな状態に業を煮やした地元のファンがTV局に訴えたのか、地元のYV局が取材に訪れて、地方のヒュース番組で取り上げた。
 
 次の週は、オートバイでのツーリングの集団、カメラ片手に名所を巡っているドライバーなどがたちよるようになった。見物に訪れる人が微増したわけである。
 
 そして、先週、ついにTV朝日系のワイドショーで取り上げられた。
 東京かどこかで、ペルー人に写真を見せて、「ここどこだと思いますか?」とインタビューしていた。
 そのペルー人の男性は、怪訝そうな表情で
マチュピチュ???・・・」
 と、インタビュアーに答えていた。
 
 本物の世界遺産とは、背景、風格、歴史の重みなどから比較は到底無理であるが、ちょっと見には「マチュピチュ?」と思いたくなる光景だ。
 はるか数百メートルしたに建つ数件の古い農家、その後ろにそびえるとがった形の岩山(実際はこの岩山には松などの木々が生い茂り、岩肌はむき出しではない)
 
 そして、今週出かけてみると、TV放送を見た人々か、数台の車がとまり、カメラ片手に「宇佐のマチュピチュ」を堪能?していた。
 
 ここに写真を掲載できないのが残念だ。
 私はいまだに写真機も携帯電話も持ってない。興味ある人は「宇佐のマチュピチュ」で検索してみてはいかがだろう。