びっくり!

 温かさが本物になると、標高1000メートルの飯田高原に出かけたくなる。
 
 車を2時間ほど走らせれば、海沿いの湿気を含んだ暑さから、さわやかな高原の風が吹きわたる気持ちの良い高原へたどり着ける。
 
 高原へ到着して驚かされたことがある。
 
 中央線のひかれていない狭い道を走っていると、「開運スポット、白蛇ご参所」との看板が目に付いた。
 
 以前は、趣味で小物を販売していた小さな小屋がいつの間にか、開運スポットに様変わりしていた。
 
 未舗装の駐車場の脇に、白く塗った高さ2メートルほどの鳥居が作られ、貧相な開運スポットらしきエリアをラ座っている。
 
 2度目に驚いたのは、3台ほどの車が駐車場にとめられ、若いカップルが数人出入りしていたことだ。
 
 どうも、”開運”とかいうロゴに今の若者はすぐさま飛びつくらしく、入場料の500円を払い”白蛇さま”にお参りしているらしい。
 
 私は興味がまるでないので、その前をスルーしたが、出かけた知人に聴いてみると、どこかで入手したアルビノ系の色素のうすい2メートル弱の白蛇を檻の中で飼って、観光客にこれを拝むと開運に恵まれるのだと、せつめいしているとか。
 
 歴史のある古色蒼然とした神社仏閣なら、境内に入るだけでも厳かな気持ちになるのだが、こんな商売気100%の施設が何も知らない善男善女を誘い込む行為は、呆れてものが言えない。