背番号６よ、永遠なれ！

　このタイトルはいささか早いな？と思ったが、それだけヤクルト球団のこの背番号６に対する思い入れは強い。

 

　ヤクルトの３度の日本一に貢献し、日本プロ野球の選手会長、オリンピック日本代表のキャプテンを務めた宮本慎也内野手が、今季限りでユニホームを脱ぐという。

 

　ホームラン王や打率リーグトップのような華々しい存在ではなかったが、そのいぶし銀のごとく地味ではあるが、玄人筋をうならせるプロの職人としての力量には、誰もがその素晴らしさを認めてきたのではなかろうか。

 

　私が驚いたのは、彼が４１歳で２０００本安打を達成したときだ。

 

　それまで、この人は守備の人。ゴールデンクラブ賞に１０度も輝いた。バッテイングでは、犠打の人との印象が強かった。

 

　プロの職人として、こつこつと安打数を積み上げて到達した２０００本という数字は、宮本選手の大きな勲章になった。

 

　誰もが認める努力の人を慕い、他球団の選手も教えを請いに彼のもとを訪れたという。

 

　そして、忘れてはならないのが、彼のリーダーシップであろう。

 

　ヤクルトでは当然のこととして、他球団の若い選手からも慕われ、尊敬を集める彼の人間性は、これからのプロ野球の指導者として次のステップで燦然と輝くに違いない。

 

　今期トップを走る楽天の監督、星野仙一の「いぶし銀がまた一人居なくなるなあ」という言葉は感慨深い言葉として、私の胸に突き刺さる。

 

　今期限りで彼の職人芸を見られないのは残念だ。

 

　でも、球界から彼の姿が消えるわけではない。来期は新たな立場でますますいぶし銀の魅力を光らせてほしいものだ。