富士山の入山料

 本日から富士山の入山料を任意ではらってもらう制度が試験的に始まった。
 
 当面は、静岡、山梨両県で、協力金として任意で一人当たり1000円を支払ってもらい、富士山の保全などのためプールしておくようだ。
 
 近年、登山ブームが過熱してどこの山も凄いにぎわいだ。
 
 中高年の人々、山ガールなどと呼ばれる比較的若い女性のグループなど、以前はあまり山登りなどに関心が無かった層の人たちが、この登山ブームを後押ししているからであろう。
 
 多くの人が押し寄せれば、当然山は荒れる。
 
 私が山登りに親しんだ九重山系の山々も、ご多分にもれず多くの登山者に踏み荒らされ、そこに住みかを作っていた野鳥などが姿を消した。
 6月ともなると、九重山系の山をピンクで飾るミヤマきりしまの木々も、年々勢いを弱め10年、20年前と比べると明らかにさびしい開花の様子を作りだしている。
 
 さて、富士山であるが、この山を世界自然遺産として登録しょうと、地元を中心に活動してきて、数年前に登録申請を行ったが、却下の憂き目にあったことを知る人は多かろう。
 
 どうして却下されたのか。
 それは、あまりにもゴミが散らかり、環境保全のプログラムがしっかりしていなかったところを突かれた結果であった。
 
 今回、富士山を信仰の山として、文化遺産として登録申請してOKが出たわけだが、自然遺産でも文化遺産でも、環境保全抜きにしては語れない。
 
 登山者は、ゴミの持ち帰りを守るのか。
トイレはどこに設置して、富士の湧水などに悪影響を及ぼさないようにできるのか。
ふもとの村、山麓への産業廃棄物の不法投棄は、なくなるのか。
 
 いろいろな心配事が私の頭をよぎる。
 
 先日の文化遺産登録のニュースでは、愛犬を御供に登山していた人が移っていた。この人は飼い犬の排泄物の始末はどうするのだろう。などと、つい、いらぬ心配をしてしまう。
 
 この素晴らしい山は、地理上静岡県山梨県にまたがってはいるが、この2県の宝ではない。
 
 太古のときから、日本国および、日本人の宝として存在してきたのだ。
 
 国はもちろん、日本人もこの宝の環境保全に力を尽くすことは当然のことと思われる。
 
 それには、膨大な費用がかかることは間違いない。
 
 試験的に、任意で1000円など言わなくて、はっきり、登りたければ入山料として
強制的に15000円は徴収してほしい。
 
 文句を言う輩がおれば、Uターンしてもらえばそれで済むことだ。
 
 富士山に押し寄せる人が減れば、それだけ環境も荒らされずにすむ。