今頃のホタル
平地の暑さを逃れ、標高1000メートルの飯田高原で3日ほど過ごしてきた。
100メートル高くなると気温が0.6度さがるとか。
単純計算で1000メートルだから平地より6度も低いことになる。
到着して外へ出ると、日差しの下では暑さは平地と変わらない。
ところが、木陰や家の中は、涼しい風が吹き抜けて平地とはまるで違う。
夕方5時を過ぎると、気温はさらに下がりひんやり感に身体を包まれる。
外で食事ができないくらいの寒さだ。
平地では6月中に姿を消した(シーズンの終了した)ホタルが、ここではまだ見られるという。
時計が8時を指すころを見計らって、近くの川のそばまで出かけた。
歩いて5分、真っ暗な木陰にぽつぽつと小さな明りが点滅している。
近寄ると、10匹ほどのホタルが木々の間を飛び回っている。
さらに進んで小川のほとりに辿り着くと、かなりの数のホタルが気ぜわしく点滅を繰り返しながら飛んでいた。
おそらく100匹ぐらいは居るのだろう。
点滅の時間が短く、飛び回るのが速い。
多分これは、平家ホタルかヒメホタルだ。
さすがにこの時期になると、点滅が長くてユラ~り、ユラ~りと飛び回る源氏ホタルは姿を消したのだろう。
しばらく、小川のふちで繰り返される光の舞いにうっとりすることができた。
小川の周りには田んぼが広がっているのだが、ここの農法はこだわりの有機農法。農薬を使わないので少しずつホタルが増えているとか。
半そでで出てきたので、寒さが身体をいじめ始める。
30分ほど居て、帰宅となったが我々が気に入ったのか、ホタルが後を追ってくる。
帰宅して窓から観ると、ホタルは庭の木にとまりお休みの合図を何時までも送ってくれていた。