もうすぐ折り返し、八重の桜

 戊辰戦争の終わりを告げる会津の戦。
 
 極上っ面しか知っていない官軍と会津藩の戦い。
 
 どんな描き方をするのか、大いに関心を持って観てきた。
 
 有名な白虎隊などの自刃のシーンは、わりにあっさりと済ませていたが、これは主題ではないのでやむを得ない。
 
 先週も昨夜も鶴ヶ城での籠城や最新兵器で攻めてくる官軍との攻防であった。
 
 これまで、綾瀬はるか扮する山本八重は、私のイメージの中では結び付きにくかったのだが、銃弾の雨の中、けなげに弟の命を奪った官軍への憎しみをぶっつけて、縦横無尽に活躍する姿を見て、感情移入してしまった。
 
 鶴ヶ城を標的にした官軍の砲弾の着弾シーンも、けっこう迫力があって、会津戦のすさまじさが良く伝わってきた。
 
 史実にどれだけ忠実に描いているのかは、勉強不足の私にはわからないのだが、会津の女性たちの生きざま、精神、これらを素直に受け止めれば、今から140数年前の会津という土地の凄さがひしひしと迫ってくる。
 
 この風土から明治の歴史に輝く会津女性が育ってきたのだなと、合点してしまう。
 
 綾瀬はるかも素敵だが、そのほかの女優陣の好演技も光る。
 
 会津藩はこの戦のあと、不毛で厳寒の地、下北半島に追いやられて、苦難の道が続いてくのであろうが、結果としてその危難を乗り切った会津の人々の精神力の強さ、絆の深さに頭が下がってくる。