人と虫は共生できないのか?

 多摩動物公園の昆虫飼育課の人のツイートが話題になっているらしい。
 
 ここではいろいろな昆虫、虫が飼育されていて子どもたちの自然界の不思議などを学ぶ貴重な展示のコーナーになっている。
 
 ところがここを訪れる若い人、子どもとともにやってくる家族持ちの人など様々だが、最近、はやりのベルト式の虫よけを身につけて、虫のコーナーをみてまわる人々がけっこう多いらしい。
 
 家の中に虫が入らないように、ぶら下げる”虫○○ーズ”などと同じで、虫が嫌う成分をふりまいて、近寄せない薬品が入っているのだろう。
 
 もちろん、気がついた人は、入館前に取り外して虫のコーナーに近寄るのであろうが、気がつかぬまま手首などにそのベルトをはめて入れば、数人なら影響も少ないだろうが、夏休みなどに大挙して押し寄せれば、虫たちはたまったものではないだろう。
 
 日本の若い人々はいつからこんなに虫を怖がったり、嫌ったりするようになったのだろう?
 
 野山を駆け回り、昆虫採集を楽しんだり、友達に自慢したりした記憶がないのだろうか。
 
 幼いころから、虫の生態、人にとって害虫なのか、益虫なのか、ハチに刺されないようにするにはどうしたらよいかなどを学んで育てば、虫は怖がらずに生き物としての仲間意識も育まれるのではないか。
 
 最近、アオバアリガタハネカクシの人への害が話題になっている。
 
 わずか7ミリほどの小さな虫だが、毒性は極めて強い。
 
 この虫への対処の仕方がわからない人にとっては、恐ろしい存在だ。
 
 小さいから、気軽に蚊でもやっつける感覚で、指でひねりつぶしたりしたら、あとで厄介なしっぺ返しを受ける。
 
 結局、人間と虫が共生していくためには、無意味に怖がったり気持ち悪がったりしないで、子どものころから生態を学び、虫に興味を持つことが肝心だ。
 
 多摩動物公園に出かける人も、昆虫のところへ来たら虫たちのために虫よけのベルトをはずし、影響が小さくて済むようにプラスチックの入れ物にしまう、などの配慮がほしいなと思う。